■大紀元日本 http://www.epochtimes.jp/jp/2006/08/html/d97944.html



〔ロイター企業調査〕適切な日銀の利上げ時期、07年4─6月期が最多

 「ロイター短観調査」と同時に大企業400社を対象に実施した「ロイター企業調査」によると、日銀による次の利上げの適切なタイミングについて、2007年4─6月期との回答が29%で最も多く、06年中と07年1─3月期の回答を合わせると、07年4─6月期までの利上げという回答が58%を占めた。また、利上げによって大きな影響を受ける業種として、6割の企業が建設・不動産を挙げ、日銀が利上げの判断として重視する景気動向や物価動向に大きな影響を与える項目では、原油価格と米国経済を挙げる見方が多かった。

 <時期利上げは、企業業績や景気の見極めが重要>

 各社が属する業界の業況感から判断して、日銀による次の利上げの最も適切なタイミングについて質問したところ「07年4─6月期」が29%と最も多く、「08年1─3月期かそれ以後」が23%、「07年1─3月期」が22%、「07年7─9月期」が12%となった。「年内の利上げが適切」とする声は7%にとどまった。

 07年4─6月期か、それ以前の利上げが適切とする声は全体の58%だったが、製造業では63%となり、非製造業の54%を上回った。業況判断の違いが、そのまま表れた格好だ。8月のロイター短観の業況判断DIは製造業がプラス30で、非製造業のプラス22を上回っている。

 「07年4─6月期」が適切とする企業からは「本年度決算の状況を見たうえで判断したほうが望ましい」(放送業)、「来年の第1四半期には、利上げに耐えられるだけの景気浮揚があると思われる」(建設)など、企業業績や景気を見極めたうえで判断すべきとの回答が多かった。

 また「短期的に再利上げすることは市況に与える影響が大きいのではないか」(繊維)、「M2+CDの伸び率が低下しており、経済の伸び悩みが感じられる」(電機)など、早期利上げへの警戒感も出ている。 

 2番目に多かった「08年1─3月期からそれ以後」が適切とする企業からは「業界が低迷しており、利上げは遅い方が良い」(紙パ)、「金利負担増による収益悪化懸念がある」(化学)、「金利上昇は、輸出でドル収入に大きく依存している当社では、為替の悪化につながる」、「金利が上がると、マンション販売に影響がでるため、先の方が良い」(建設)など、さらなる利上げが業績を圧迫するとの懸念が表明された。

 <早期利上げ派には、景気過熱への警戒感広がる>

 一方、「06年10─12月期」が適切とした企業からは「インフレ率や資産市場等において9月以降、底堅い動きが見込まれれば、年内追加利上げがあってもおかしくない」(金属・機械)、「おう盛な設備投資と好調な企業業績」(卸売)、「中間決算の結果をみて決断すると思う」(機械)など、足元の状況から早期利上げを容認する声が聞かれた。

 また、「地価、建築資材価格、労務費コストなどが予想を上回るペースで上昇、ミニバブルの様相を呈している」(不動産業)、「原油等資源価格が高騰しており、いったん冷却の必要がある」(サービス)など、景気過熱を懸念する向きもある。

 <利上げの影響、最も大きいのは不動産・建設>

 利上げの影響が最も大きい業種として、回答者の62%が「建設・不動産」を挙げた。「運輸・電力等」が10%、「鉄鋼・非鉄」と「電機」がともに5%などとなった。

 建設・不動産が利上げで不利になると思われる中で、建設・不動産の足元の業況判断は急速な改善が目立っている。ロイター短観での建設・不動産の業況判断DIは、8月はプラス7と、過去最高を更新。金利上昇の傾向は業界にマイナスと見られるものの、このところの都市部での地価上昇や、金利先高観を背景にした駆け込み的な需要も加わった堅調な住宅着工が、追い風になっている可能性もある。

 一方、金融政策の決定に際して、日銀は景気動向や消費者物価指数(CPI)などの物価動向に最も注意を払うとみられるが、景気動向やCPIに最も影響を与える項目については(上位3つを回答)、「原油価格動向」が86%で最も多く、「米国経済」が63%でそれに次いだ。また、「株価動向」が43%、「為替の動き」が42%となり、市場の動きに注目する見方も少なくない。

 その他については「中国経済」が17%、「地政学的リスク」が13%、「原油以外の商品相場」が10%などとなった。

 <9月末の長期金利、2%以上との回答が27%に減少>

 9月末時点の日経平均株価の予想は、1万5629円となった。7月調査での7月末時点の予想である1万5666円をやや下回った。実際の相場は16日に1万6000円台を回復した。

 9月末時点のドル/円の予想は、平均で114.11円となった。7月調査での7月末時点の予想である114.29円よりやや円高/ドル安方向に振れた。

 9月末時点の長期金利(10年国債指標銘柄利回り)の予想については「1.8%以上─2.0%未満」との回答が52%と最も多く、「2.0%以上─2.2%未満」が22%でそれに次いだ。2.0%以上との回答は27%と、前月調査での37%を下回った。

(ロイター8月17日=東京)