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9月11日、小沢民主党代表が格差是正を最優先に基本理念公表。7月撮影(2006年 ロイター/Kiyoshi Ota)

小沢民主党代表が格差是正を最優先に基本理念公表、消費税は福祉目的で5%維持

  小沢一郎・民主党代表は11日、同党代表選への出馬を正式に表明し、自民党に代わる政権を樹立した際の基本理念を発表した。その中で格差是正を最重要課題と位置付けるとともに、自民党の政治手法を官僚任せであると批判。政治・行政・経済など根本的に仕組みを転換し、補助金の全廃などを通じた分権国家樹立を目指すとともに、消費税率5%を維持したまま、全額を社会保障関係費の財源に充てる政策を打ち出した。

 12日に告示される民主党代表選には、今のところ、小沢氏以外に推薦人を確保したうえで立候補する国会議員はいないもよう。

 小沢氏は11日の会見で、自民党の政治手法を痛烈に批判し「旧来の政治・旧来の政治・行政の仕組みをそのまま維持し、その延長線上で政治を行っていく考え方だ」と指摘。官僚に依存した政治手法では「内外の諸問題を克服することはできない」と述べた。

 そのうえで小沢代表は「旧来の政治、行政、経済、社会、教育をはじめ、仕組みを根本的に変え転換していかなければならない」と強調、基本理念では安定感のある信頼される「常識の政治」を行い、「普通の国・日本」を実現することを掲げた。

 さらに「代表としての使命、責任、目標は、なんとしても民主党が政権を担うこと」と述べ、「来年の参議院選挙で自・公を過半数割れに追い込む」との決意を改めて表明した。

 内政面では「自由な競争は社会の安定を保障するセーフティネットの確立が大前提である」とし、小泉改革ではこのセーフティネットが構築されず、大きな格差が問題になっていると指摘。「格差をなくすことを民主党政治の最重要課題」に掲げ、雇用、社会保障、食料などの面で「日本型セーフティネット」を構築するとした。

 具体的な基本政策では、教育改革を第1に挙げ、新しい教育基本法の制定を掲げるとともに、義務教育は国が最終責任を負いつつ、市町村が自らの判断で自由に行える制度を作ることなどを上げた。

 格差是正では、子育てに対する「子ども手当て」や親と同居している世帯への「親手当て」を創設。雇用のセーフティネット構築などを上げた。

 社会保障関係では、年金制度の一元化のほか、「年金は消費税を財源として1人6万円(月額)をめどに支給する基礎年金と、所得比例年金の二階建てに統一する」とした。

 また、消費税は「福祉目的税とし、全額を社会保障関係費の財源に充てる」と明記し、公正の観点から「年金、医療、介護、子ども手当てなどの諸手当も、高額所得者にはその支給を制限する」としている。

 さらに国の形を抜本的に改め「地方分権国家樹立」を打ち出した。「中央政府は、外交、防衛、危機管理、治安、基礎的社会保障、基礎的教育、食料自給、食品安全、エネルギー確保、通貨、国家的大規模プロジェクトなどに限定し、その他の行政は全て地方自治体が行う制度に改める」とし、「個別補助金は全廃し、全て自主財源として地方自治体に一括交付する」との抜本改革を推進するとしている。

 財政健全化では、補助金の全廃や特殊法等の廃止・民営化など「革命的な改革で無駄を省く」ことを中心に据え、経済の持続的成長によって財政健全化を加速するとした。

 外交では、真の日米同盟の確立を促進、米国と自由貿易協定(FTA)を早期に締結し、あらゆる分野で自由化を推進する。このほか、アジア外交の強化などを掲げた。

 安全保障では「自衛権は、憲法第9条に則って、個別的であれ集団的であれ、わが国が急迫不正の侵害を受けた場合に限って行使する。それ以外では武力は行使しない」とし、「自衛権の行使は専守防衛に限定する」ことを明確にした。

 民主党は25日の臨時党大会で、正式に小沢代表の選出を決める。きょう発表された基本理念・基本政策をたたき台に、年内にも、民主党としての基本政策にまとめる予定。

[東京 11日 ロイター]

 (06/09/12 07:38)  





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