■大紀元日本 http://www.epochtimes.jp/jp/2006/10/html/d60989.html



10月13日、福井日銀総裁は年内利上げの可能性を否定できないと述べる。先月11日撮影(2006年 ロイター/Toshiyuki Aizawa)(ロイター)

年内利上げの可能性を否定できない=福井日銀総裁

 福井俊彦日銀総裁は13日、金融政策決定会合後の記者会見で、年内追加利上げの可能性を「否定することはできない」と述べ、排除しない考えを示した。ただ、利上げ時期を特定して考えているわけではなく、これまで通り極めてオープンとの姿勢も強調し、利上げ時期を特定する発言は行わなかった。

 市場では、ユーロ円3カ月物金利先物や国債先物が下落したほか、円が買われた。

 福井総裁は、これまで出ている経済・物価のデータは「金融政策の基本スタンスの変更を迫るものではない」と述べ、金利水準の調整については「経済・物価情勢を良く見極めながら、ゆっくりと進めて行く、に尽きる」とした。

 日銀は、10月31日に経済・物価情勢の展望(展望リポート)を出すが、「経済・物価情勢が展望リポートに沿って展開していくと見込まれるなら、政策金利水準の調整は、経済・物価情勢の変化に応じて徐々に行う」との基本姿勢をあらためて説明。この場合、極めて低い金利水準による緩和的な金融環境が当面維持される可能性が高いとし「これも従来通りだ」とした。

 具体的な政策のタイミングや金利水準は「経済・物価情勢次第。これ以上に言いようがない」と述べた。

 年内の追加利上げの可能性については「そういうふうに問われれば、これを否定することはできない。かと言って現時点で、利上げの時期を特定して考えているわけでもない。従来通り極めてオープン」とし「毎回の決定会合において、経済・物価情勢を丹念に点検した上で適切に判断したい」と繰り返した。  

 福井総裁は12日の参院予算委員会で「これから先、経済・物価の水準に見合った望ましい金利水準を目指して、しかし、ようやく困難を脱した経済であり、経済成長をつぶさに点検しながら、あくまで慎重にゆっくりと調整を進めたい」と述べた。これまでの「ゆっくりと進める」という発言に「慎重に」という言葉が加わったとして、市場では「金融政策に対する微妙な変化が感じられる」(大和総研債券ストラテジストの奥原健夫氏)との指摘が出ていた。

 「慎重に」との発言の真意を問われ「特に新しい意味を込めて国会答弁したつもりは全くない」と述べ、市場の思惑を否定した。

 日銀の先行きの金融政策を占ううえでは、米経済の動向が大きな要素となるが「米経済は全体として、ソフトランディングシナリオの範囲内で動いている」との認識を示した。

 さらには、米住宅冷え込みの影響は十分注意するとしながらも「ゆっくり金利調整を図っていくという基本スタンスにまで響くほどの強いショックになるかは分からないが、金利調整を進めるペースそのものを調節することで吸収可能な幅はある」とし、金融政策運営のシナリオを塗り替えるリスクはそれほど大きくないとの見方を示した。

 日銀は、12―13日の金融政策決定会合において、翌日物金利を0.25%前後にするという現行政策の維持を全員一致で決めたほか、「景気は緩やかに拡大している」との景気判断を据え置いた。

 
[東京 13日 ロイター]