【生活に活きる植物】40・靱草(ウツボグサ)

【大紀元日本8月12日】ウツボグサは日本各地、東アジアの温帯に広く分布し、日当たりのよい山野の草地に群生するシソ科多年草。花期は6~8月、紫色の唇形花が密生して咲きます。白花もあるようです。茎は四角で、花序もよくみれば四角形です。茎の基部から四方に枝を伸ばし、根を出して殖えていきます。8月、花序が急に枯れて暗褐色に変じた頃、花穂を採取し日干しにしてよく乾燥したものが生薬の夏枯草(かごそう)です。

【学名】Prunella vulgaris
【別名】空穂草
【成分】ウルソール酸、ブルネリン、精油、タンニン、塩化カリウム、

【薬用効果】夏枯草は肝経に働き、解熱作用があります。目の充血、頭痛、めまい、イライラに有効で、甲状腺や乳腺などの腫瘍に効果があります。一日量は乾燥物9~15gを煎服します。外用では適量を口内炎、扁桃炎にはうがい、結膜炎には洗眼します。暑気払いにはお茶として飲用します。他にも民間で打ち身、消炎利尿をはじめ多くの方面で利用されています。

【食用】若苗を採ってゴマ和え、油いため、揚げ物にします。

 【余禄】ウツボグサの名前は特徴ある花序が弓矢を入れる靱に似ていたことに由来します。ヨーロッパでも肺病や胃腸の病に利用されました。日本種に近い植物のセイヨウウツボグサは花がやや小さく、花色も白やピンクがあります。ハーブのセルフヒールという名でも知られています。

ウツボグサ

枯れたウツボグサ

(文・写真 / ハナビシソウ)