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7月30日、安倍晋三首相(写真)は自民大敗が明らかになった参院選後も政権続投の意向を示した。写真は自民党本部にて撮影(2007年 ロイター/Issei Kato)

安倍首相は参院選後も続投表明、先行きに懸念の声

 参院選での自民大敗が明らかになった29日夜、安倍晋三首相は報道各社とのインタビューで、「政権を維持して改革を続行することで国民への政権公約を果していく」と続投の意向を示した。首相は、衆院の解散・総選挙について「現時点で考えていない」と述べる一方、内閣改造は「選挙結果を受け止めながら、よく考えていきたい」と語った。

 首相の続投表明について、公明党など連立与党内から支持の声が上がっているが、選挙惨敗の責任論が勢いを増す可能性も否定できず、政権の先行きをなお懸念する見方が出ている。

 自民党の議席が30議席台に転落する大敗を喫した責任について安倍首相は「厳粛に受け止め、謙虚に耳を傾け、民主党と参院で協議していきたい」と述べた。ただ、退陣するかどうかについては「総理大臣としての責任の果し方は、就任した際に約束したことを実行に移すことだ。景気回復をしっかり果し、年金問題も解決していく」と述べ、政権を維持して政策実行に当たる決意を示した。

 参院で民主党が第1党に躍進、政権運営が困難になるのではないか、との質問には「参院で民主党とも協議していく」と述べた。野党から衆院解散・総選挙を求める声が強くなった場合の対応については「衆院議員の任期は2年以上あり、その中で実績を積んでいくことが大事だ」と語り、早期の解散は念頭にないことを強調した。

 一方、首相は、参院選の結果を受けた内閣改造については、「挙党体制で結果を出していくことが大切だ」と語り、今後は党内各派の意向に配慮していく意向もにじませた。選挙の争点となった政治とカネの問題については「法律でやるべきことはないか。党の内規で厳しくしていく必要があるのか、厳しく国民の声を受けとめ、やるべきことをやっていく。納得していただける対応をしたい」と語った。

 安倍首相の続投表明に対し、連立与党内からは支持の声が出ている。青木幹雄・自民党参院議員会長は、参院選大敗の責任を取って会長辞任の意向を表明するとともに、「(続投の意向を)重く受け止め、(安倍首相に)全面的に協力していく」と語った。公明党の大田昭和宏代表も、安倍首相の続投を容認する考えを示した。公明党内には「安倍政権は発足から1年たっておらず、もうしばらくサポートしたい」(衆院議員)との声も出ている。

 他方、自民党にとって歴史的な敗北となった今回の参院選の責任問題が改めて浮上、政権運営の不安要因になるとの懸念は消えていない。第一生命経済研究所・主席エコノミストの嶌峰義清氏は、橋本政権の退陣につながった1998年の44議席を下回り、「いずれ首相辞任の流れにならざるを得ない」と指摘。SMBCフレンド証券・株式ストラテジストの中西文行氏は「秋の臨時国会以降は、参院で民主党が主導権を握る。解散や総辞職に追い込まれる可能性が消えたとは言えない」としている。

[東京 30日 ロイター]

 (07/07/30 06:43)  





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