■大紀元日本 http://www.epochtimes.jp/jp/2008/01/html/d82235.html



化学工場の排水汚染で大量の中毒=写真は、湖岸に工場を抱える洞庭湖(China Photos/Getty Images))

中国湖南省の化学工場周辺、住民大量中毒事件が発生

 【大紀元日本1月28日】中国湖南省懐化市辰渓県板橋鎮にある化学工場から有毒物質の砒素などが漏洩しているのが、最近になってわかった。周辺の地下水源が汚染されたため、周辺の農民3千人以上が中毒、うち1人が重体。中国国内紙「新京報」が伝えた。

 報道によると、1ヶ月前から、現地の飲用水が加熱後に黄色いあるいは赤色に変色している。地下水源の汚染を疑う現地住民は、地方当局に状況を報告した。その後、「辰渓県環境保護監測センター」が、問題の工場が提供した汚水サンプルを検査し、昨年12月7日、「同工場から排出された汚水は安全基準に満たしている、地下水が汚染されていない」との調査結論を出しながら、同結論は送検された水サンプルだけに限定したものであると強調した。

 1月11日、工場周辺の農民が相次ぎ、吐き気や、イライラ、むくみなどの症状を現し始めた。最初は、風邪や、白血病などとして治療を受けたが、発症地域が急激に拡大、大勢の人が入院した。現地当局が再度水質を検査した結果、砒素が検出された。住民の症状は中毒であることが判明。

 現地住民が提供した情報によると、75歳の男性が危篤状態に陥っている。医者から回復の可能性が低いと告げられている。中毒者数は3千人以上に達する。

 また、報道によると、十数年前に、現地の自然環境が非常によく、山は緑にあふれ、河も底が見えるほど澄んでいた。1991年に、私営企業である単硫鉄鉱 (たんりゅうてっこう) の精錬工場が操業し始めてから、山の緑が完全に消えて禿げてしまった、周辺地域では草もほとんど枯れていた。2001年に、この工場が一旦閉鎖されたが、その直後に再開した。

 現地農民から毒の源と指摘している五酸化バナジウム(化学式 V2O5) は、生産コストが1トンあたりで約5万元(約80万円)。中国国内の市場取引価格は約その8倍である。

 現地農民の証言によれば、2006年から湖南省当局に陳情書を進呈し、化学工場による深刻な環境汚染を訴え、工場の開業にあたり、現地当局の幹部が工場主から巨額の賄賂をもらい、操業許可証を出したことなどを上申した。「何回かは、省から検査チームが派遣されたが、毎回、合格の検査結果が出される。その背後には、やはり金銭が絡んでいる」と被害を受けている農民たちは指摘している。

 いま、問題の化学工場は閉鎖され、現地農民の飲用水は外部から運ばれているもよう。

 
(記者・文華、翻訳/編集・叶子)