■大紀元日本 http://www.epochtimes.jp/jp/2008/06/html/d55686.html



2008年4月7日、パリのノートルダム寺院に巨大な旗をかけ、中国当局による報道の自由への侵害問題を訴える「国境なき記者団」のメンバーら(AFP)

北京五輪直前、各国メディアが取材制限に直面

 【大紀元日本6月12日】北京五輪開幕まであと2ヶ月しかないが、駐中国の外国記者は、中国当局は取材自由の承諾を完全履行してないと指摘している。特に、各国のテレビ局は諸々の取材制限に直面し、機材の通関が遅延される問題に悩まされていると、米国VOAは五輪開催直前の外国メディアの取材自由の問題を報じた。

 同報道は、「多くの外国記者はオリンピック直前になって、予想もしなかった頭の痛い問題に直面している」と報じた。

 同報道によると、天安門広場や、故宮などの北京のシンボル的な場所での現場取材を、中国当局が制限し始めている。中国の税関に撮影・録音機材が一時押収されたり、取材の日程に支障が設けられたりしている、と一部の外国テレビ局は非難している。

 また、AP通信駐北京支局のスポーツ記者スティーブン・ウェト氏の最近の報道によると、北京五輪組織委員会、国際オリンピック委員会(IOC)、五輪期間中に報道する外国テレビ局の上層部が5月末に北京で「緊急会議」を開き、上記の背景にある障害問題を議論した。

 ウェト記者によると、参加する外国テレビ局の上層部はこの会議で、自らの五輪報道計画が停滞されていることや、報道機材の通関検査が異様に遅いこと、中国当局から要求される資料と手続きが非常に複雑で、他国の五輪開催時に使っていた慣例は中国では通用しないようだ、などと問題点を挙げた。

 IOCの幹部ジェルバット・フィリ氏はその席で、北京五輪組織委員会に疑念を呈し、一部の条件と要求が中国に拒否され、実行できないことも少なくない、などのIOCに寄せられた苦情を中国側に伝えた。それに対し、北京五輪組織委員会のメディア運営部門の部長・孫維佳氏は、主要な問題点を見出すと約束、機材が中国に持ち込まれる際の遅延問題を否認した。

 ウェト記者は、「チベット問題の発生、その後の五輪トーチリレーがパリ、ロンドン、サンフランシスコなどの各地で抗議活動に遭ったのを加え、一連の出来事が中国当局に不安をもたらし、五輪期間中にも、北京で抗議が発生するのではと憂慮している」と述べ、外国メディアにこれらの突発的抗議事件を撮られたくないために、報道機材の持ち込みを制限しているのではないかと分析し、「2千台以上のテレビ中継車と衛星アンテナが北京と中国各地で制限なく移動することについて、中国当局は非常に憂慮している。そのため、これらの機材を中国に持ち込ませたくないのが実情だ」と語った。

 同記者は、「中国当局は予測せぬ事態の発生を非常に恐れている。見られたくない中国の内情が世界に見られてしまうのを心配している。彼らが望んでいるのは、我々メディア関係者が広大な競技場、壮大なスポーツ試合、歓声を上げる中国国民だけに視線を向けること。いかなる要因もこの盛大なショーを台無しにするのを避けたいと考えているようだ」と指摘した。

 中国当局が北京五輪招致の際に、大会期間中に外国メディアの完全なる取材自由を約束した。一年半前には、外国記者の自由取材を許可する法律を公布した。そのことについて、中国の外国人記者クラブの新任会長、英紙ガーディアンの駐中国記者ジョナソン・ワーズ氏は、「この法律は確かに状況を少し変えたが、実施の過程において、相当大きな問題がある」と指摘した。

 同記者は、多くのメディアがもっと多くの記者を中国に派遣したいが、ビザが下りない難題に直面していると説明し、様々が問題点が五輪直前になってさらに深刻になったと語った。

 ワーズ記者によると、同外国人記者クラブは去年、取材の自由度について、200人以上の会員記者を対象に電話調査を行った。その結果、大多数の記者が、中国当局が約束を履行していないとの認識を示した。

 カナダ国家ラジオ放送局のスポーツ記者スコット・モル氏は、天安門広場での現場報道は実現できないかもしれないと話し、「これは非常に残念なことだ」と語った。

 (翻訳・編集/叶子)