ダイエットの心強い味方 ジャガイモ活用法

フライドポテト、マッシュポテト、ポテトチップス、コロッケ。ジャガイモで作られたこれらの食品は、どれも高カロリーで、おいしいですが肥満に直結しています。しかし、そこにちょっと誤解があって、ジャガイモそのものはカロリーが低くて栄養が豊富。ダイエットに適した食材なのです。そんなジャガイモの活用法と、芽の出にくい保存法をご紹介します。

ジャガイモの健康的な食べ方 実践編

「ジャガイモ自体のカロリーは、高くありません」というのは、栄養士の陳怡婷さん。「油で揚げたり、調味料を入れすぎたりすることで、ポテト料理のカロリーが増加したんです」とのこと。例えば、濃厚で美味しいマッシュポテトには、必ずサラダソースが添えられます。市販のポテトチップスはおいしくて、つい手を伸ばしがちですが、揚げ油や味付けが体に負担をかけます。

そこで、ジャガイモを調理する際には、蒸す、煮る、焼くなどの方法をお勧めします。油で揚げたり、チーズソースやサラダソースなどの高カロリーのソースをかけすぎないようにしましょう。

ジャガイモは全穀雑穀類に属し、ビタミンC、カリウム、食物繊維、レジスタントスターチを含みます。そうした各種の栄養素が、血圧を調節し、心臓の血管を保護するとともに、腸の良好な状態を維持してくれます。

ジャガイモに含まれる豊富なカリウムが血圧を調節し、ビタミンCが炎症を抑えて血管の弾力を維持することで、心血管疾患のリスクを低下させます。また、ジャガイモの食物繊維は、腸内の善玉菌プロバイオティクス)の養分として腸の健康を助けるとともに、「腹もち」がよく満腹感をもたらしてくれます。

ジャガイモのデンプンは消化吸収されにくく、しかも食後の脂質酸化作用を促進して脂肪の蓄積を軽減するはたらきがありますので、ダイエットには最適なわけです。ダイエット中の人には、ジャガイモを加熱したポテトが、主食のご飯代わりにもなるでしょう。そのカロリーは白米よりずっと低く、ジャガイモ1杯は同量の白飯の半分ほどです。

陳怡婷さんは、「食事の主食にジャガイモがある場合には、ご飯や麺などは控えるべき」と指摘します。糖質やカロリーの過剰摂取を避けるためですね。おかずの具にジャガイモが入っていたら、主食の白飯の量を減らしましょう。

発芽しにくいジャガイモの保存法

お店でジャガイモを購入する際に、すでに発芽しているものや、緑色になっているものは買わないようにします。ジャガイモの芽にはソラニンという毒性物質があり、芽の成長とともにソラニンの濃度が高くなることが知られています。まれにですが、めまい、頭痛、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、呼吸困難など、ソラニンによる中毒症状が現れることがあります。陳怡婷さんは「発芽したジャガイモは、中毒を避けるため、丸ごと捨ててください」と言います。

買ってきたジャガイモは、できるだけ発芽しないような方法で保存します。ジャガイモは光に当たると芽を出しますので、すぐに調理しない分は、新聞紙に包んでからビニール袋に入れ、冷暗所に置いて乾燥させます。湿気にも弱いので、もし雨が続くようでしたら、多くは買わないでください。

さらに、ジャガイモの袋にリンゴを1個入れておきます。リンゴが放出するエチレンには、ジャガイモの発芽を抑制するはたらきがあります。

簡単で低カロリー ジャガイモ料理2品

 

じゃがいものオーブン焼き

材料: (2人前)

ジャガイモ 2個、オリーブオイル、塩、黒コショウ、ローズマリー 各少々。

作り方:

オーブンを180度に予熱。ジャガイモは皮つき、皮なし、いずれも可。十字に切れ目を入れてオーブンプレートに乗せ、オリーブオイル、塩、黒胡椒、ローズマリーをトッピング。ジャガイモの大きさにより、オーブンで20分から30分、香ばしく焼いて完成。

ジャガイモは蒸す、煮る、焼くなどの調理方法が適しています。(Shutterstock)

 

ジャガイモと鶏肉のスープ

材料:(2人前)

ジャガイモ 1個、タマネギ 半個、ニンジン 半本、鶏むね肉 120g、塩、黒コショウ、イタリアンスパイス 各少々。

作り方:

ジャガイモ、タマネギ、ニンジンは皮をむいて賽の目に切る。鶏むね肉は、皮を除き、賽の目に切る。フライパンに油を熱したら、先にタマネギを入れて香ばしく炒めジャガイモニンジンを加えて炒め、さらに鶏肉を加えて炒める。適量の水(400cc)を加え、塩、黒コショウ、イタリアンスパイスを振る。蓋をして、ジャガイモが柔らかくなるまで弱火で煮込んだら完成。

ニンジンとタマネギはスープに自然な甘みをもたらすだけでなく、抗酸化栄養素も豊富に含んでいます。ニンジンのビタミンAとタマネギのフラボノイドは、免疫力を高めるのに役立ちます。鶏むね肉は、ダイエットに適した高タンパク低脂肪。ぜひ、お試しください。

(文/蘇冠米 翻訳編集・鳥飼聡)