■大紀元日本 http://www.epochtimes.jp/jp/2008/08/html/d19269.html



スピードスケート五輪金メダリストの米ジョイ・チーク選手は8月6日、ワシントンDCにて英文大紀元の独占インタビューを受けた(大紀元・リサ)

特別インタビュー:米元五輪金メダリスト、中国当局のビザ取り消しについて語る

 【大紀元日本8月10日】スピードスケートで、五輪金メダリストの米ジョイ・チーク選手(29)は五輪へ出発する前日の8月5日に、中国大使館が同選手のビザ発行を取消した。米国内すべての主なメディアはこの事件を報道し、ホワイトハウス、下院議長は中国当局に対して取消しを撤回するよう求める声明を発表するとともに、ブッシュ大統領に対しても、チーク選手が中国入りできるように外交談話を求めた。この事件を背景に、チーク選手は8月6日に、ワシントンDCで英文大紀元の独占インタビューを受けた。

 米北カロライナ州グリーンスボロで生まれたチーク選手は、06年イタリアで開催されたトリノオリンピックで男子500メートルスピードスケートの金メダリストで、閉会式で米選手団の旗手を務めた。一方、チーク選手は「チーム・ダルフール(Team Darfur)」の発起人の1人でもある。現在は米プリンストン大学で経済学を専攻している。

 
06年2月25日、ジョイ・チーク選手は男子500メートルスピードスケートで、金メダルを獲得した(Getty Images)

「チーム・ダルフール」は国際社会に対して、スーダン・ダルフール地区で発生している人道的危機に関心をよせるように呼びかけることに尽力している。チーク選手によると、各国からの「チーム・ダルフール」メンバー72人が五輪競技に参加する予定だという。

 中国政府は本来7月1日にチーク選手にビザを発行する予定だったが、8月5日にそのビザが取消されたことが分かった。チーク選手は、「中国大使館が私のビザを取消したことは、他の選手たちに警告を出しているようだ。即ち、ダルフール問題を再び提起すれば、選手たちが中国から直ちに強制送還されることを示している。選手たちにとっては脅威である」と分析した。

 チーク選手は北京五輪に参加する選手たちに対して、「あなたたちの声は他の人たちの生活を 大きく変化をさせることができる」と激励した。
本来7月1日にチーク選手に中国政府からのビザ発行される予定だったが、8月5日にそのビザが取消されたことが分かったチーク選手(大紀元・リサ)


 チーク選手は「スポーツ選手の言論の自由が制圧されることには非常に苛立つ。選手は言論の自由を有すべきで、いろんな問題に対する自分たちの意見を自由に表現できるべきだ」と主張し、「五輪が人々を集結させることは、もっとオープンにして、自由にすべきだ。五輪を創った当時は人権を改善し、自由を提唱し、まさにわれわれが謳えていることだ。われわれはダルフールなどの問題を話す権利があるし、それを禁止することは五輪精神に反している」と指摘した。

 チーク選手のビザ取消し問題について、中国外交部は、政府の目的とは、人々が五輪に参加し観賞できるように適切で安全な環境を提供することだと示した。これに対して、チーク選手は「私が政治的なことをしていると告げて来たとある政府が実質上、背後で掌握したすべての政治権力で、政府にとって不都合な人たちを制圧している」と反論した。

 チーク選手は「中国政府が言論および報道の自由を制圧すること自体が、彼らの考え方が正しくないことを表しているのだ。中国政府の考え方が正しければ、自己弁護も必要ないし、隠蔽することも要らないのだ」と指摘した。

 チーク選手は中国人に反対することは根っからないと示し、逆に中国5千年の悠久の文化に憧れていて、実は中国語を勉強しているのだ。チーク選手は、競技のために何度も中国を訪れたことがあり、多くの中国人は善良で、情熱的で友好的だったと示したが、活動する人たちが監禁され、彼らの弁護士も拘束されたなどの人権問題にも気づいた。

 チーク選手は「ダルフール問題がもし中国で起きたら、仮に200万人の中国人が自分の国から追い出されて、数十万人が虐殺されたら、私も彼らのために同じことをする。もし、この事件が米国で発生したら、私は他の国の人々に助けの手を差し伸べて欲しいと思う。私はそのためにダルフール問題に携わるのだ。アフリカ人であろうと、米国人、中国人、ヨーロッパ人であろうと、すべての人々が声援を受けるべきだ」と強調した。

 トリノオリンピックで獲得した賞金2万5千米ドル(約275万円)をあるスポーツ選手が発起した人道主義団体「ライト・ツー・プレイ」に寄付し、その後、アフリカの子供を援助するために、チーク選手は1千メートルスピードスケート競技で獲得した1万5千米ドル(約165万円)を同じ団体に寄付した。

 チーク選手は中国政府に対して、「当局が五輪主催権を獲得したのは、国がそれによって改善できるからだ。しかし、今のやり方は良くない」と指摘した。チーク選手は「五輪に参加する多くの選手たちは、優秀なスポーツ選手であると同時に良い人になることを目指しているのだ」と示し、言論の自由のために戦い続けると示した。

 
(記者・亦平、翻訳/編集・余靜)