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中国の農民の生活は改善されるのか(Getty Images)

中国土地私有化に進展か、共産党権力低下の兆し

 【大紀元日本10月22日】中国共産党は10月19日、中国国営新華社通信を通じ、17回中央委員会第3回総会(三中総会)で採択された「農村改革・発展の推進に関する若干の重大問題に関する中共中央の決定(以下は「決定」)の全文を発表し、農民に下請け、貸与などの方式で土地の請負経営権の流通を認める政策を打ち出した。しかし、12日に閉幕した三中総会の公報にこれらの内容は言及されなかった。上層部の権力闘争で政策の発表を勝ち取ったと見られる胡錦濤主席が今後、どのように同政策を実施していくのか、その手腕が問われる。

 9~12日まで北京で開催された三中総会の公報の中で、期待の高かった「土地の請負経営権緩和政策」に関して、一言も触れていなかった。しかし、一週間後の19日に「決定」が発表され、また転機が訪れたと市民が感じ、国内メディアも「土地の請負経営権が生き返った」と報じた。

 「決定」によると、農民が下請け、貸与、交換、譲渡、株式による提携の方式で土地の請負経営権を流通させ、多様な方式で適度な規模の経営を認めるなど大規模農場の経営を進めるという。しかし、土地の集団所有制と用途を変更することを認めないという。

 国内の有識者は、同政策は農民の出稼ぎと起業に必要な資金の獲得に有利であり、内需の拡大の一助となっていると見ている。「決定」は農村改革の目標として2020年まで農民の平均収入が2008年より倍増すると掲げた。さらに、「大幅に農村のインフレ建設と社会事業の発展への投資を増加し」、「大幅に政府の土地出譲収益(払い下げを受けた土地の使用権の使用料)、耕地占用税を引き上げ、増収した税金は農業に投入する割合を高め」、「大幅に中部・西部地区の農村公共事業の建設への投入を増加する」とも打ち出した。しかし、一部の上層部は同政策が共産党の農民に対する制御力を弱める可能性があると異論を唱えている。
土地所有権は中国の難題の一つ(Getty Images)


 同政策は内需を拡大し、格差を是正するために打ち出されたと見られている。「三農問題」(農業、農村、農民)は長い間、指導部が抱えている難題の一つである。農村部と都市部の格差が拡大する一途をたどっており、二つの中国、すなわち「都市中国」と「農村中国」があるとも言われている。2008年上半期で、農民の年収入は720ドルであり、都市部住民の3600ドルをはるかに下回っている。しかも、「三農」の支出が中央財政全収入に占める割合は1996年の21・1%から2006年では16・6%に下がっている。

 中国国内の報道によると、中国国土資源部は毎年、十数万件の土地収用問題に起因する直訴を受けており、土地を強制収用された農民による暴動が激増し、三農問題は中共の統治を脅かしているといっても過言ではない。現行の土地収用政策によって、各級政府と幹部はわずかな金額で農民から土地を収用し、暴利を得ている。土地の強制収用で活路を失った農民が年々増え、社会問題にまで発展している。

 同政策の制定によって、悪化する農民の生活環境が改善されると期待されているが、政策の実施において既得権益による抵抗が今後さらに強まるとの見方もある。

 
(翻訳編集・高遠)

 (08/10/22 07:33)  





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