【大紀元日本11月26日】ダライ・ラマ14世(74)は、後継者である活仏が完全にチベット運動をリードできるまでに、チベット仏教第3位の活仏のカルマパ17世(23)を代理人とする考えを示した。
1週間前にダラムサラで行なわれた亡命チベット人大会で、ダライ・ラマが提唱した中道路線を維持することを決定すると共に、ダライ・ラマの後継者が中国側に再び拉致されないように明確な後継者計画の提出も討論された。会議中この構想を提案したハーバード大学ロースクールのチベット事務専門家Lobsang Sangay博士によると、この提案は現在最高位の僧侶たちが検討中であるとしながら、多くの人はカルマパが適任と考えているという。
*カルマパ17世、ダライ・ラマと親子同様
情報筋によると、カルマパ17世は、チベット東部の遊牧民の子供として生まれ育てられた青年で、2000年にチベットから逃亡したことで国際社会を驚かし、一躍有名人になった。国際チベット団体スポークスマンのサンドス氏は、ダライ・ラマはカルマパ17世と親密な関係を保てていて、まるで親子のようだと示した。
一方、ダライ・ラマは23日の記者会見でもカルマパ17世を称え、今後は重要な役割を担うと示したが、具体的なことは明らかにしていない。
ダライ・ラマの「転生」した者を後継者に指名する伝統的な方法では、チベット政府が真空状態に陥ってしまい、中国当局に隙に付け込まれて別のダライ・ラマを指名されると、亡命チベット人たちが懸念している。一方、ダライ・ラマが生前から後継者を指定することになると、北京側にダライ・ラマが政治のために宗教伝統に違反することを指摘されるのを懸念する。代理人を任命することでダライ・ラマの死後、亡命政府が崩壊させないための苦肉の策とみられる。
ダライ・ラマのスポークスマンのダンジェンタラさんは、「伝統によると、通常では代理人を任命する。代理人の役割として、政治的な部分より精神的な部分が多く占める」と示した。
(翻訳編集・余靜)
|