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中国=11月輸出高、7年ぶり減少

 【大紀元日本12月21日】中国政府は12月10日、今年11月の輸出高は去年同期比で2・2%減少したと発表した。輸出額が前年同月を下回ったのは7年ぶりで、一方、11月単月の輸入額も去年同期比で18%と大幅にダウンしており、個人消費が急速に縮小したことによるものと見られている。また、12月10日当日に中国政府が発表した11月生産者物価指数(PPI)や外資企業によると直接投資額(FDI)も事前予想よりも大幅な下落を見せた。

 これまで中国の高いGDP増長率を支えてきたこの3つの主要指標が急激な下落基調に転換した。専門家は去年から相次いだ品質安全問題で、世界各国消費者の間では中国製品への不信感が強まっており、さらに今年の金融危機が追い打ちをかけ、「世界の工場」は陰りを見せていると指摘されている。中国経済はかつてない挑戦を経験しているようだ。

 輸出入の急減 

 中国税関当局が10日に発表した11月輸出入額、生産者物価指数(PPI)および外資企業による直接投資額(FDI)の3項目の経済指数は事前予想に反して大幅な下落をみせた。中国国内報道機関は、中国GDP増長率を引っ張ってきたこの3つの主要指標が急激に下落したことについて、中国政府当局がこれまで実行してきた「(高い)増長率を保とう」との主要経済方針の圧力を浮き彫りにしたと指摘した。

 中国税関当局によると、1-11月までの中国対外貿易総額は2兆3783・7億ドルで、去年同期比で20・9%増となった。そのうち、輸出額は1兆3171・6億ドルと去年同期比で19・3%増。輸入額は1兆612・1億ドルで去年同期比22・8%増。また、1-11月の貿易黒字が2559・5億ドルで、去年同期比163・9億ドルで6・9%増。

 しかし、11月単月の輸出入総額は1898・9億ドルと去年同期比で9%落ち込んだ。そのうち、輸出額は1149・9億ドルで去年同期比2・2%減、輸入額は749億米ドルと、17・9%も激減した。

 地域別でみると、1-11月の広東省の輸出入総額は6311・8億ドルで、去年同期比で10%増。輸出入規模に関しては、広東省は全国各省市のトップとなっている。江蘇省、上海及び北京を加え、4省市の輸出入合計は全国輸出入総額の65・3%を占めている。

 税関当局が発表した対外貿易のデータによると、去年下半期から、今まで高成長を保ってきた中国の対外貿易輸出はすでに失速しているという。これは中国製品の品質安全問題が頻発したことと大きく関係しており、外国消費者の中国製品への不信感が高まっていると見られている。

 今年下半期から、主要先進国の景気後退に伴い、中国経済を支えてきた外需が激減し、対外輸出も大幅に下落した。しかし一方、輸出と比べ、輸入伸び率の下落幅がより一層目立っている。7月単月の輸入額の伸び率は去年同期比の33・7%増から、10月の15・6%増と伸び率が下落し、更に11月のマイナス17・9%と、中国はすでに5カ月連続に輸入額が急速に反落している。

 実に、中国が輸入した大部分の物は中国の工場で加工してから、「メイド・イン・チャイナ」の中国製品として輸出されるのだ。したがって、輸入額の激減は、中国加工業界の受注が減少しているのを意味しており、今後輸出産業の収益への打撃が避けられないと懸念されている。

 経済アナリストは、中国の11月の輸出激減は実体経済悪化の始まりに過ぎず、将来世界4大経済実体からさらに悪い経済材料を出るだろうと予想する。

 HSBC銀行香港支社の経済アナリストの曲宏賓氏は、「輸出入ともに縮小している事は、世界経済景気が後退する内で、中国はその「世界の工場」との立場を保つのが難しくなっている、ということを示している」と指摘した。

 一方、中国商務部発表によると、9月の直接投資額(FDI)は去年同期比で24・19%増と10月のわずか2・02%減だったに対して、11月の外国企業による直接投資額(FDI)は去年同期比で36・52%減と急激に下落した。

 中国国家統計局発表の数字によると、11月の生産者物価指数(PPI)は去年同期比で、2%と上昇したが、10月の上昇幅は6・6%であった。

 かつてない挑戦に直面する中国経済

 経済アナリストは、公表された11月の経済指標からみると、中国経済の「(高い)増長率を保とう」との主要経済方針の圧力は非常に高まっていると指摘。国際金融危機の底がまだ見えず、その実体経済への影響は一層深まっているため、「増長率を保とう」との圧力が深刻な結果を招くだろう。さらに、未解決の社会深部矛盾と問題を加えられれば、中国経済は今現在、かつてない挑戦に直面している。

 広東省政府の官員である黄さんは、現在広東省の企業が90年代以来もっとも深刻な問題に直面しており、来年が非常に重要となる一年だと話し、また「従業員数1万人以上のある工場が突然倒産し、全員が失業してしまった。このような状況は、以前はありえないことだった。これほど大きな工場が突然倒産してしまったことは、現在の経済情勢が非常に厳しいということを物語っているだろう」と述べた。

 ここ数カ月で広東省では5万社超の企業が倒産したとの報道に関して、黄さんは具体的な数字ははっきりしないが、実際の状況はより深刻なものであろうと示した。

 中国の鉄鋼、石炭などの基礎資材産業は次々と倒産の危機が迫っている。またこのほど、世界金融危機及び原材料価格の急騰などの影響で、中国木材加工産業の輸出も大打撃を受けており、中国各地では多くの大手木材加工企業が生産を停止し、多くの従業員が失業しレイオフされ、林業生産者が巨額な損失を被った。そのため、一部の生産停止した企業はすでに契約した受注を完成できない状況にあるという。

 報道によると、山東省臨沂では40%の木材加工企業、江蘇省邳(ひ)州では30%、浙江省南浔(シュン)では43%、河北省文安では45%の木材加工企業が倒産したという。

 失業の増加で引き起こされる社会問題

 現在、中国では数多くの労働者が失業し、就職できない学生や無職の人々が増加している。また、中国製造産業の最も重要な地区である中国華南地域において数千社の工場や企業が倒産し、人々の社会に対する不安が深まっている。

 米国や欧州の西側諸国では失業保険を含む社会保障システムが完備されている。これらの国の失業問題と比べ、中国ではこのような社会保障方面に不足が多い。そのため、中国の失業問題は、中国共産党政権に巨大な脅威をもたらしている。

 最近、発生している多くの暴力デモ抗議は政府機構を直撃し、「打倒共産党」を高らかに叫ぶ様子が取り上げられている。

 
(翻訳編集・坂本、張哲)


 (08/12/21 14:34)  





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