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中国の警官に殴打されるチベット人(YouTube)

中国YouTube封鎖、各界から非難

【大紀元日本3月30日】中国当局は3月24日、世界最大の動画サイトYouTubeを封鎖した。封鎖の理由は発表していないが、中国官製メディアは 、YouTubeに出た中国武装警察がチベット人に対して暴行を加えている7分間の動画がねつ造であると強調している。一方、このような中国当局の対応を非難する声が上がっている。VOAが伝えた。

 *中国当局、YouTubeを全力で遮断

 中国当局が今回YouTubeを封鎖した主な理由は、中国武装警察がチベット人に暴行を加えた7分間にわたる動画が掲載されたことであると思われる。この動画は、昨年3月14日にラサで発生した流血弾圧事件の際に、「タンダ」という名前のチベット人がひどく拷問され死亡した関連映像で、亡命チベット人が掲載したものである。動画の中には、被害者が殴打された後に残ったひどい傷口の生々しい映像もあった。

 中国官製メディアは、この動画は「ねつ造したもの」であるとし、チベット亡命政府が異なる場所で撮った映像を編集したものだと強調した。新華社は あるチベット人中国政府関係者の話を引用し、「亡くなったチベット人は違う人物であり、傷口も偽物だ。ダライ・ラマ集団はよく嘘をつき、国際社会を騙すのだ」と指摘した。

 また、一部のメディアは、「動画の中に新旧の映像が混ざって使用されていることから、撮影した時間と場所を断定することが難しい」と報道した。

 *1988年の映像も混用

 著名なチベット人作家・唯色(ウェイセ)氏は、問題にされた動画を分析し、「動画が流れて1:00~1:25(分)の間は、1988年に中国の軍隊および警察がラサのトゥルナン寺へ突入し、僧侶らを殴打した時の映像で、これは入れなくても良かった。何故なら、この映像はすでに多くのチベットに関するドキュメンタリーに使われているからだ」との意見を示した。

 唯色氏の分析によると、動画の中の主な内容は次の通り。①昨年3月14日にラサ市ラモチェ寺の前で抗議するチベット人と現れた中国私服警察②昨年3月、ラサ市内で特別警察がチベット人を追い出す映像③昨年3月15日に甘粛省南州夏河県で僧侶らとチベット人住民が街を行進する映像④1988年3月、ラサ市トゥルナン寺に武装警察が突入し、僧侶らを殴打・拘束する映像⑤昨年3月、甘粛省南州夏河県某地方で、僧侶らと民衆が抗議行進し、チベットの旗を揚げ、武装警察と対峙⑥昨年3月、ラサ(チベット人警察の言葉に漢語の訛りがあることから、場所がラサであることを識別した)で、武装警察らが(色付きの敷石のある)町で僧侶とチベット人を殴打する映像⑦昨年3月~6月、ラサ市で、「ダンダ」という若い男性が軍人警察から恐ろしい拷問を受けた後に自宅で死亡した⑧昨年3月、ラサ市等で、武装警察が町中に溢れている映像。

 唯色氏は、これらの映像をチベットから運び出すのに、どれほど命の危険に身を晒したかは想像もつかず、また、被害者タンダさんを失った身内らが過ごす辛い日々をも想像できないとコメントする一方で、この動画に1988年の映像と音楽を加えないで、時間と場所の英語・中国語字幕を付けた方がよかったと語った。

 *YouTube封鎖、状況を悪化させる一方

 独立中国ペンクラブ(Independent Chinese PEN Center、ICPC)メンバーで独立評論家の朱建国(ズゥ・ジャングオ)氏は、中国の集団抗議事件が頻発したことは中国政府関係者の不適切な対応がもたらしたとし、ネットサイトを封鎖することは逆効果であると指摘した。

 朱氏は、「中国社会科学院の最新の報告書では、広範囲にわたる深刻な2008年の集団抗議事件の発生率は空前であり、想像以上のものだったことを示している。殆どが政府関係者の不適切な対応がもたらした。彼らの対応処置は民意を伝播する手段を取締り、真相を封鎖することである。しかし、この措置はことをさらに悪化させるのだ」と指摘した。

 一方、地元のネット利用者らはYouTubeが封鎖されることに対して不満を覚え、「何かあったら、すぐに封鎖するとは、あまりにも料簡が狭すぎる。このやり方では中国のイメージを壊すだけだ」「この時代に、こういうやり方はとても滑稽だ」と様々なコメントがあった。

 また、香港紙「蘋果日報」掲載の李平氏の評論は、YouTubeでは中国当局の敏感な部分に触れる動画が頻繁に発表されているが、今回の動画がなくても、中国当局がYouTubeを封鎖しない保証はないとした。また同氏は、(中共が他者に)罪を着せようと思えば理由はいくらでもあると非難し、全面的に封鎖する手段はあまりにも傲慢で単純過ぎると指摘している。

 同評論では、中国当局は再び自らが「ネット自由の天敵」であることを表し、当局の「調和指向」に合わなければ皆殺しにする傲慢さを丸出しにしたと指摘した。 また、インターネットは中国当局が封鎖したくてもできるものではないとし、利用者らは、プロキシサーバーを使えば、簡単に当局の検閲システム「金盾(ジンドン)」と「長城(グレート・ファイヤウォール)」を逃れることができるから、中国当局が行っている封鎖とは、自分を騙し人をも騙すだけのことになるのだと示した。

 2008年10月28日に立ち上げたインターネット検閲に反対する団体からなる国際コンソーシアムの「グローバル・ネットワーク・イニシアティブ」によると、YouTubeに対するアクセス遮断を行った国は、ここ2年間で12カ国に上るという。同団体は、「YouTubeへのアクセス遮断は情報発信したり、情報にアクセスしたりするその国の国民の権利を侵害するだけではなくて、外部から国民らに情報発信する権利をも侵害する行為である」と指摘した。

 
(翻訳編集・余靜)


 (09/03/30 06:32)  





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