■大紀元日本 http://www.epochtimes.jp/jp/2009/05/html/d30215.html



ブログで中国当局を非難する公開状を掲載した北京大学の教授・夏業良氏

知識人よ、覚醒せよ=北京大学経済学教授

 【大紀元日本5月25日】ブログで中国最高指導部宛の公開状を掲載、当局が国民をマインドコントロールし、学術と報道の自由を圧制すると非難した北京大学経済学部の教授・夏業良氏はこのほど本紙の取材を受けた。公開状を掲載する経緯や、中国の知識人の現状、経済発展などの問題について、見解を述べた。

 夏業良氏は1980年代に大学で英米言語文学を専攻、比較的早期に欧米の思想に触れることができた。1980年代後半、同氏はカナダ、米国に留学、欧米の民主制度と社会状況をさらに把握できたという。

 最近では、北京大学出版社で出版される予定だった、同氏の共同著書「夢蔂未名湖」(未名湖に絡む夢)は、中央宣伝部(言論、出版、メディアなどを監視・管制する中国当局の最高機構)の某幹部から出版社への1本の電話により出版禁止となった。

 「電話に出た出版社の幹部は恐れるあまりに、相手の名前を聞く勇気もなく、説明と弁解する余地はなおさらない、それで一冊の本が封じられた。この現状は、ヒトラー統治下のゲシュタポ時代よりもひどい」と同氏は語った。

 夏業良氏は、「当局の報道・出版への厳しい規制にますます耐え難くなってきた。いまは、最も暗黒な時期といえる。もう、これ以上我慢できない」と話し、中央宣伝部を非難する公開状をブログに公開する経緯を語った。

 その行動により当局からの迫害を受けるのではないかとの質問について、夏業良氏は、「それでも、やはり、私は決断を変えない。中国には前に出てこのようなことを行う人が必要だからです」と話し、現時点において、大学の上層部から警告を受けたが、最高指導部からはまだ明確な反応がないという。

 公開状が掲載されてからすぐ当局に削除されたが、強い反響を得たようだ。同氏によると、国内外の華人から多くの励ましの電話がかけられてきた。「ある人は、自分の家財を処分しても私を支援したいと言って来た。ある人は、もし私が迫害されて、経済が窮地に追い込まれたら、募金運動を起こして支援する、と言ってきた。同じ志を持つ人がたくさんいることに非常に励まされた」と夏業良氏は語り、支援者へ感謝の意を表した。

 また、学術界内部の一部の知識人からは、無意義な行動であるとか、自分を犠牲にするだけなど、様々な冷めた反応も示されたという。

 夏業良氏は、知識人の加担により、当局の歴代の政治運動の残虐さが増したことを非難し、中国社会の堕落に、知識人は大きな責任を負わなければならないと指摘、「これまでに、中国の知識人は犬儒主義を保ち続けてきた、しかもその傾向はますます顕著になっている。皆が精神的な麻痺を起こし、(当局の独裁に)じっと我慢し続け、目先の安逸を貪り、反抗という本能を捨てた」と分析、中国著名の詩人・蔵克家の名言「生きているが、すでに死んだようなものだ」を引用して多くの知識人を形容した。

 中国を変える希望は民衆にある

 夏業良氏は、「ここ数年、中国の民衆には進歩がみられた。各種の自発的な人権活動は強い潮流となり、自己の権利を守る意識が芽生えた。農村部などの辺鄙な地区からも、たくさんのこのような声が発せられている。インターネットの普及により、社会が大きく変わった。一昔前まで、人々は当局を反対する声を発するのを恐れていた。昨年あたりから、多くの集団抗議事件の真相は、ネットを通じて外部に伝播されるようになった。以前では、このようなことを想像もできなかった」と指摘し、中国の政治情勢を変える希望は民衆にあるとの見解を示した。

 また、具体的方式について、同氏は、平和かつ理性的に、非暴力な手段を用いて、政治体制の制度に変化を来たす、ひいては中国社会の進歩を導く、との見解を示し、知識人が社会の動向への支配作用が大きいとし、知識人に対し、勇敢に立ち上がり正義を守るよう呼びかけた。

 経済の発展は独裁政治に資金を提供

 経済学の教授である夏業良氏は、中国経済の発展が、必ずしも社会の進歩を意味しているわけではないことを指摘し、「中国経済は確かに発展した。しかし、挽回できない大きな犠牲も払っている。例えば、環境と自然資源への破壊、ビジネスにおける道徳理念の崩壊。いま、偽物、有毒製品などの事件が続発しているのは、それに起因する。もっと重要なのは、中国経済の構造上の問題と政治体制の欠陥により、深刻な対立と危機をもたらしていることだ。貧富の格差などの問題は、これらの危機をさらに大きくしている」と分析した。

 同氏は取材の最後、こう語った。「我々はますます希望を失い、絶望に至った。中国当局は自ら本質的な改革を行うのは不可能とわかったからである…中国の大多数の国民が、自由、民主、人権を熱望し追い求め続けている、しかもこの情勢はどんどん顕著になっていくであろう」。

 

 
(記者・辛霏、翻訳編集・叶子)