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六四天安門事件:学生リーダー「経済発展のために人を殺してもいいのか」

 【大紀元日本6月4日】 学生を中心とした民主化運動が中国当局に武力弾圧された「六四天安門事件」は、今年6月4日で20周年を迎える。当時の学生リーダーの王丹さんはこのほどBBCの取材を受け、中国の現状や天安門事件への認識などを語った。

 1989年4月15日ごろから、北京を中心に中国全国各地の大学生や知識人は政治・経済改革などを求め、全国範囲で平和抗議運動を起こし、天安門広場には大勢の大学生がハンスト抗議を遂行していた。6月4日、中国当局は人民解放軍を天安門広場に大量動員し、大学生たちを装甲車で踏み潰したり、射殺したりした。約3千人あまりが殺された。その後、弾圧に反対した当時の総書記・趙紫陽氏が軟禁され、多くの学生が投獄された。

 事件当時、北京大学の学生であり、大学生のリーダーを務めた王丹さんは弾圧後、2度にわたり投獄された。1998年、当時の米クリントン大統領が訪中する直前に釈放され、米国に渡った。

 多くの中国人民は中国当局の詐欺宣伝に騙され、同事件に誤った認識を持っていることについて、王丹さんは、天安門事件は正真正銘の愛国民主運動であり、必ず歴史に正しく評価されると強調した。

 また、王さんは、天安門での弾圧事件後、中国社会はこれまでにない三つの特徴を形成してきたことを指摘した。経済発展が最重要視されたこと、全国民の道徳が著しく退廃したこと、知識人層がシニシズム(注・社会風習や道徳・理念などを冷笑・無視する生活態度を指す)に化したことだという。

 王さんは、この三つの問題点は、中国の現在と未来の社会発展を深く影響するとの見方を示した。

 中国の経済発展により、現在多くの中国人は、「弾圧は社会の安定を守った」という当局の言い分を受け入れている、この問題ついて、王さんは次のように答えた。

 「中国当局のこの言い分は、国内を中心に全世界に向けて、一種の邪悪な価値観を注ぎ込んでいます。すなわち、経済発展のためなら人を殺してもいいというものです。このような最低限の善悪すら分別しない価値観は現在、人々に徐々に受け入れられています。その現象を警戒すべきです。いま、中国当局が吹聴しているいわゆる『中国スタイル』は、この種の不正で、正義に反し、完全に是非善悪を混同する価値観に基づいています。このような経済発展は、人間が生存する社会の発展に属さないもので、我々中国人の誇りではないのです…中国社会の対立、社会の危機、歴史への認識などの問題はすべて、経済発展によって隠されている。そして、経済の発展は国際社会の注意力を逸らしました。目先において、この策略は成功しているが、一旦中国経済が衰退し始めると、問題が一斉に激化します」

 また、取材の中で、王丹さんは、中国当局が天安門事件で犯した過ちを認めるのはほぽ不可能であるとの見方も示した。

 一方、現地情報によると、中国当局は6月4日を前に、天安門広場周辺の警備を一層強化した。検問所が増設され、観光客の身分証明書と荷物のチェックも随所に行われている。広場での撮影も事前の許可がないと禁止されている。わが子が殺された「天安門の母」など多くの関係者が一時軟禁や、監視されている。ある人権問題の専門家は、「中国当局に脅威の存在と受け止められたら、その相手の合法権利なども存在しなくなる」と述べた。 

 
(翻訳編集・叶子)


 

 (09/06/04 06:07)  





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