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国民は中国の経済バブルを懸念している(GettyImage)

中国経済:バブル膨張、政策決定層黙認の結果

 【大紀元日本8月17日】大陸内部の不動産業界人によると、中国の不動産市場は最近、ほぼ過去最高の価格水準に戻りつつあり、株価も急騰しており、経済全体にバブルの現象が現れている。その原因は中国の政策決定層の黙認および投機マネーの出現だとみられている。

中国の政治周期が資産バブルを増加させる

 「ウォールストリート・ジャーナル」15日の報道によれば、中共総書記・胡錦涛氏と一部の中央高層幹部は2012年10月の中共18全人代で任期が切れる。それに伴って高層職、特に政治局関連の分捕り合戦が始まっている。外界の推測では胡錦涛氏は常務委員会9席のうち5席を自らの息の掛った者に配分し、影響力を維持し、政治遺産を保護しようと考えている

 現在中国では、就業者数を維持するためには8%成長が必要とされており、政治面で敵を作らないためにも無理な成長による矛盾には目をつぶり、個人消費拡大の持続など均衡を維持する改革をしようとはしない。中国資産バブルによる後遺症は次の指導者に残されることになり、在任の指導者には影響しないため、こういった状況はさらにひどくなっている。

 これに合わせて経済分野で「バブル連盟」が成立している。銀行は住宅購買者、ディベロッパーおよびディベロッパーに土地を供与して金を得る政府部門に大量の新たな資金を供給し、住宅価格が堅調であることを強烈に望んでいる。

ホットマネーの流入がバブルを激化させる

 ウォールストリート・ジャーナルの報道によると、絶え間なく中国市場に流入しているホットマネーによって、通貨の膨張を抑えることはさらに難しくなっている。しかし、いったんホットマネーが離れると、中国の不動産および株式市場は崩壊する。

 ホットマネー問題の解決は難しく、中国政府も手を拱いている。こういった直接投資や貿易にかかわらない投機性の資本は、中国政府が資本勘定に対する厳密な統制から外れる。UOBの推測では、昨年末から今年年初に世界的な投資家が手を引いたときに、約1,780憶米ドルが中国から流出している。

 ウィキペディアによれば、ホットマネー(Hot Money/Refugee Capital)とは短期回収を狙った流動資金である。こういった資金の流動速度はきわめて速く、短期的な投資機会があればホットマネーが流入するが、投資家はこういった利益を得られる機会は過去のものだと認識しており、同時にこういった資本は極めて早く流出する。

住宅価格と株価は急騰

 中国政府は先月、第二四半期の外貨準備は1,780憶米ドル増加し、史上最高であると発表した。

 大陸の専門家は株価と住宅価格の急騰とホットマネーの流入は図らずして期を一にしている。第二四半期に増えた外貨のうち1,220憶米ドルは説明できない。第二四半期の中国A株は2498から3625に急上昇した。同時に、北京、上海、広州、深圳等の住宅価格は3月時点から見て少なくとも20%上昇している。

 UOBのアナリストの推定では、外貨準備増額の中、830億米ドルがホットマネーで、大部分が株式及び不動産市場に流入してバブルを引き起こした。中国資本の銀行は、今年6月までに貸し出した1万億米ドルのうち2000億ドルが株式市場に流入したという。

ホットマネー流入の原因

 分析によればホットマネー流入にはいくつかの原因がある。(1)政治情勢による投機。中共指導者は権力安定化のために、こういった投機行為を黙認すると予測。(2)中国が短期金利を上げるとの市場予測。(3)人民元の切り上げを停止しているが、1年後には再度調整に迫られると予測。

 ウォールストリート・ジャーナルの報道によると、ホットマネーの投機者に対して、人民元切り上げの魅力は非常に大きい。いったん中国が人民元の切り上げを認めれば、投機家はたっぷり儲ける。また、人民元の下落の可能性は極めて低い。これらはホットマネー流入の動機となっている。

 さらに、中国政府が経済危機脱出の宣言をすればするほど、人民元切り上げへの期待は強烈になる。外国為替市場では1年後のドル対人民元の換算レートを現行の6.83元から6.78元になるとみている。

 (09/08/17 02:59)  





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