■大紀元日本 http://www.epochtimes.jp/jp/2009/08/html/d46127.html



リオ・ティント社上海支社(AFP/Getty Images)

中国当局、リオ・ティント社関係者を産業スパイ容疑で逮捕

 【大紀元日本8月13日】上海市の検察当局は、商業機密侵害と非国家公務員収賄の容疑で、英豪系の資源大手リオ・ティント社の上海支社総支配人、スターン・フー氏(Stern Hu)と同支社勤務の中国人社員3人を正式逮捕した。中国国営「新華社通信」が8月12日報道。中国国内での報道により、国民のリオ社に対する怒りが高まり、今回の正式逮捕に至ったようだ。

 リオ・ティント社側は8月11日に声明文を発表。4人の社員を逮捕する証拠や起訴される罪状などは知らされていないと説明したばかり。

 リオ・ティント社CEOのオルセ氏は、逮捕された4人の社員の無実を信じると述べた。

 豪州外務貿易省は現地時間8月12日、中国当局から正式逮捕を知らされたとし、逮捕者に弁護士の面会を許可するよう当局に求めた。

 スターン・フー氏と他3人の中国人社員は7月5日から勾留されていた。7月9日、中国外務省は国家機密窃盗容疑が逮捕の理由と説明。どのような国家機密であるかについては、現時点においても説明されていない。

 中国国営のメディアは本件について、スターン・フー氏は中国の鉄鋼企業との鉄鉱石価格の交渉で、中国側の価格情報を入手するために賄賂を使ったと報じ、その行為は国家機密の窃盗に当たると報道している。

 報道内容に対して、リオ・ティント社は「全く事実無根」と反論

 8月8日、中国国家保密局(中国機密保護局)は公式サイトに、「リオ・ティント社で何があったか」と題する記事を掲載。「同社の産業スパイ行為は6年間に及ぶ」「中国鉄鋼企業に7千億元(約9兆8千万円)の巨額な損失を招いた」などと報じた。

 国内外のメディアに報道されたこの記事の内容について、リオ・ティント社側は7千億元(約9兆8千万円)という数字はまったく事実無根であり、同社の鉄鉱石部門の年間総売り上げ433億ドルを遥かに上回ることを説明。収賄行為がないことを主張した。

 その後、記事を執筆した江蘇省保密局(機密保護局)の蒋汝勤・局長は、記事の内容は「個人の認識」とし、7千億元の損失情報も中国メディアの報道からの引用と説明した。記事は中国国家保密局の公式サイトから姿を消した。

 その一方、国内のメディアは依然として記事の内容を報道し続け、国内のインターネットサイトでも相次ぎ転載。国民のリオ・ティント社に対する憎しみを煽っている。

 中国問題の専門家は、中国国家保密局の公式サイトに掲載された記事は、中国当局の許可を得ているはずで、メディアを煽るための一種の策略ではないかと指摘する。

 豪州政府に亡命した元中国外交官・陳用林氏は、「7千億元という数字は政治目的のための捏造だろう。当局がこの案件を政治化する企みは明らか」と述べた。

 また、豪州防衛情報庁の中国担当の元責任者であり、国際関係のエキスパート、ポール・モンク氏は、逮捕劇の裏の要因として、今年6月にリオ・ティント社が中国非鉄大手の中国アルミ(チャイナルコ)との総額195億ドル(約1兆9千億円)の提携を撤回したことや、豪州炭鉱業界(リオ・ティント社が交渉の代表)と中国側との鉄鉱石価格の交渉難航を挙げている。

(翻訳編集・叶子)