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非効率な中国の産業構造、調整と高度化に私有化が肝心=中国経済学者

 【大紀元日本10月26日】中国社会科学院は先月、中国の経済発展及び改革に関する青書「中国道路と中国模式1949-2009」を公表した。青書が、中国国内の産業構造は十分に効率的ではなく、対外開放の力を借りつつ調整、高度化を行うべきであるとしている。

 中国経済の産業構造が不合理である問題は、古くから存在し、中国経済の問題を論ずる上で避けては通れない論点となっている。この最新の青書が提示している、産業構造の非効率化問題を解決する処方箋は効果があるものなのか。

 米・マイアミ大学商学部教授の陸亜東氏は、RFA放送の取材で次のように語っている。

 「大病には大手術が必要だ。実際の処方箋としては、輸出主導、外資の利用を含む対外開放、中国企業の海外進出の奨励などを総花的に全体の計画の中に含めることは可能だが、計画は単一的ではありえない。例えば輸出にしても、労働集約型の製品は、資源の高汚染をもたらすものであり、その生産を奨励してはならない。むしろ、高い税金を課すなどして、抑制すべきなのだ」

 青書の見解によると、中国の産業構造において非効率性が突出しているのは、発展が停滞しているサービス産業であり、国際水準を大きく下回るばかりか、途上国に比べても10%余り下回っている。

 青書は、中国産業構造の非効率性のボトルネックを、中国サービス業における外資利用度の低さ、製造業における自主的な創造・研究開発を通じた国際競争上の優位の欠如に原因を求めている。しかし、陸亜東教授は、問題の根源は、中国における私有化の過程と関連があると考えている。

 「国内の問題の根源は、私有化の過程が国家主導による指導の効果を維持する方向で進められたことにあり、国家の指導に予想したほどの実効性がなかったことだ。私有化を開始した後、利潤の獲得のメカニズムが作用する中で、こうしたスローガンの効果は非常に薄弱なものとなり、私有化は空虚なレベルに留まっている」

 米・イエール大学経済学部の陳志武教授も同様な意見を指摘、財産権と土地の私有化を改革しなければ、産業構造の調整と高度化の実現はほぼ不可能であると指摘している。

 「輸出依存度を下げるべき、というのが1点。もう1点、これは更に重要なことだが、中国経済に占める、国有経済、国有の土地・資産の割合を減少させる必要がある。かりに、民間経済の財産権、土地の私有化の改革を進めることができなければ、産業構造の改善はほぼ不可能になる」

 青書の指摘によると、中国サービス業における外資の利用は、中国が導入した外資全体の28%に満たない。しかし、サービス業における外資の利用増加は問題の解決に繋がらないと、陳志武教授は考えている。

 「中国における『国進民退』の趨勢は、今回の金融危機によって継続的に強化され、より大きなものとなっている。こうした中で外資の投資や民間投資を増やそうとしても、最終的には国家が擁する資源、資本及び各産業への許認可権に抵抗できない。だからこそ、国家の経済における役割のみが、現在のように強化され続けているのだ。中国産業構造の変革は単なる願望にすぎない。実現は困難だ」

 一方、中国のある学者の意見では、産業構造の調整において、民営経済が国有経済よりも優れている。その原因は、民間企業は自主的に経営を行い、損益を自ら背負う独立的な経済主体であることにある。民間企業は、市場、投資環境、経営条件などの競争に足を踏み入れようとすれば、常に生存を求めて発展を図り、システムを柔軟にして意思決定を敏速に行わなければならない。

(翻訳編集・飛燕)


 (09/10/26 06:43)  





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