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【謙虚な心】

作者:貫明

 【大紀元日本10月23日】

 昔、ある名師の下で修業する若者がいた。三年の月日が経ち、若者は自分の技が既に高い境地に達したと感じ、師の下を発とうとした。

 「自分の限界に達しました。門出させてください」

 「もう少し高い境地を目指してみないか?」

 「もうこれ以上は伸びません」

 師は黙って大きな碗をテーブルに置き、そこに石を入れるよう若者に命じた。若者は溢れんばかりの石を入れた。

 「限界です」

 「本当か?今度は砂を入れてごらん」

 砂が石の隙間にどんどん入っていった。

 「限界です。もうこれ以上は入りません」

 「それなら、お香の灰を入れてごらん」

 すると、お香の灰がすっと入っていった。

 「今度こそ限界です」

 師はテーブルの上の急須を持ち上げ、碗にお茶を注いだ。お茶があっという間に滲み込んでいった。

 若者はハッと悟った。限界なんてない。謙虚な心で修業の道を進むのみだ、と。

 釈迦牟尼は、 「其の大は外無く、其の小は内無し」と説いた。高い境地にいる人ほど、謙虚な心を持つ。そして、謙虚な心が更なる道を開いてくれるのだ。

(翻訳編集・心明)



[中国語版又は英語版]:おすすめ記事

 (09/10/23 05:00)  





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