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「夫を返して。公正と道理を返して。情報を知る権利を返して」と訴える張貴蘭さん(写真・直訴者提供)

上海の直訴者ら、集団送還 「何度でも北京に直訴」

 【大紀元日本11月9日】共産党政権樹立60周年記念式典のために、この一ヶ月あまり北京から追い出されていた直訴者らが、再び姿を現した。6日午前、上海からの直訴者50人余りが北京国家信訪局(人民の陳情を受け付ける場所)を訪れ、陳情を行おうとしたところ、当局から受付を拒否された。同日夜、全員が強制的に上海へ追い返された。これらの直訴者は、オバマ米大統領の訪中時に再び北京を訪れ、直訴すると話している。

 今年8月、国家の安全、治安と司法を監督する権力中軸である中央政法委員会は、司法の不正を訴えるために地方から北京を訪れる年間200万人以上の陳情者を阻止するため、民衆からの苦情申し立てに対応する従来の「直訴制度」を廃止する方針を示した。それにもかかわらず、大量摘発された直訴者らは、10月1日の60周年記念式典が終わった後、再び地方から北京への陳情を始めた。

 上海からの直訴者らが北京信訪局を訪れた理由は様々だ。陳載忠さんは2006年、上海政府が絡む汚職問題を告発した後、絶えず当局から拘束され、暴力を受けるなどの迫害を受けた。陳さんはこれを不満とし、直訴のために北京を60回以上訪れたが解決せず、当局からの報復行動がより深刻になったと話す。陳さんによると、直訴で北京から追い返されるたびに、勤め先は中央政府が払った交通費を陳さんの給料から差し引いているという。

 別の直訴者・張貴蘭さんの夫は2006年10月、病院で歯ぐきの炎症を治療したが、10日後に死亡した。病院側からのきちんとした説明はなかったという。寡婦となった張さんは、7日に行われる有名な学者の追悼会に政府の上層部が集まると聞き、6日北京へやってきた。同日早朝、信訪局を訪ねたが、担当者との面会は果たせなかった。同日午後、張さんは、中央政府衛生部の前で「夫を返して。公正と道理を返して。情報を知る権利を返して」という紙を掲げて訴えた。張さんは2時間後、政府関係者に拘束され、上海行きの列車に乗せられた。張さんは、夫の死亡原因を明らかにするまで訴え続けると話している。

 また、張さんによると、同じ時に衛生部の前では、別の直訴者が医療現場の腐敗を不満として訴えていたという。

 一方、10月だけで5回も北京を訪れた上海青浦区の温梅勇さんは、元々富裕層の出身。2003年、政府の招致に乗り、全財産を投入して上海金沢鎮に工場を建設した。しかし、政府から違法建築とのクレームがつき、工場は差し押さえられた。その後、金沢鎮政府が運営する金沢実業公司が実質上の経営母体となった。温さんは現在、収入も途絶え、子供の教育費さえ捻出できない状態だ。会社の責任者として名前が残っていることから、生活保護を受けることもできないと温さんは嘆く。

 11月中旬に予定されているオバマ米大統領の訪中に際し、各地から多くの直訴者が北京を訪れ、中国の人権にもっと関心を寄せるよう大統領に呼びかけるものとみられる。

衛生部の前で訴える上海からの直訴者・張貴蘭さん(写真・直訴者提供)

(記者・喬琪、翻訳編集・余靜)


 (09/11/09 07:18)  





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