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「アテネの学堂」、フレスコ技法、1509~1511。ヴァチカン、ラファエロ・サンティオの「署名の間」にある壁画(ネット写真)

【芸術百科】壁画

作者:謝春華

 【大紀元日本12月27日】

 壁画とは岩壁、建築物又は天井などに描かれた絵画の通称で、歴史上では最も悠久の絵画形式の1つである。

 壁画には下記の数種類がある。

 ① 洞窟の「ケーブ・ペインティング」。例えば、仏・スペインなどの洞窟絵画。

 ② 建築物の壁面を装飾し、室内のデザインの一環とする「ミューラル・ペインティング」。

 ③ 建築空間、室外広告のための制作も壁画になる、所謂「ウォール・ペインティング」又は「ニューラル」という。

 ④ カラーレンガを使用したものも壁画の1種で、モザイクとも呼ばれる。

 しかし、ここまでの4種類の壁画は「フレスコ(Fresco)」の呼び方と混同してはならない。

 ⑤ フレスコ(イタリア語で「新鮮」の意味)は耐久性の強い壁画で、湿式法「ブオン・フレスコ」は通常は石灰でできた泥を壁又は天井の上塗り材に用いてから、粉顔料に水を混ぜ、水性顔料を作り、その顔料をまだ乾いていない上塗り材に載せてゆく。乾いた時に、顔料は自ずと壁画の中に留まる。この種の壁画は出来上がってから修正するのが難しいので、通常では紙にデザインしてから正確に壁へと移す。また、1日にできる制作量をこなすのみ。ラファエルロより以前から、フレスコ技法はすでに確立されている。

 ⑥ フレスコ・セッコ(Fresco Secco)。ダビンチは「最後の晩餐」を制作中に、すでに湿式法の配合と技術を改良しようとしていた。即ち、顔料を乾いた上塗り石灰材に載せること。しかし、この改良方法は、載せた顔料が発色や耐久性に劣るという弱点がある。

 壁画の制作時には、壁画の構造や建築物全体の空間効果を考慮した上で制作にかかるべきだ。異なる種類の絵画は具体的な制作ステップも異なり、材料によっても異なる出来上がりになる。

 壁画は他の絵画作品と同様に額縁に収めることや収蔵することはできない上、長い年代を経ると損傷し易いため、壁画の古跡を修正することが重要な学問であるのだ。

 

メキシコのバッハ・カリフォルニアにある洞窟内のケーブ・ペインティングと複製品(ネット写真)

ヴァチカン博物館内の廊下、装飾用の壁画(ネット写真)

ローマ、モザイク壁画。古代芸術国家画廊、イタリア(ネット写真)

カナダ、ぺムブロックの壁画(ネット写真)

ダビンチの「最後の晩餐」、1495~1497。乾式法フレスコ技法。サンタ・マリア・デッレ・グラツィ教会、イタリア(ネット写真)

(翻訳編集・豊山)

 (09/12/27 05:00)  





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