■大紀元日本 http://www.epochtimes.jp/jp/2009/12/html/d77498.html



12月3日、北京の人民大会堂で中国の温家宝首相との協議に臨むカナダのハーパー首相(右1)(Getty Image)

カナダ首相訪中:人権問題提起でも、ビジネスチャンス獲得

 【大紀元日本12月6日】カナダのハーパー首相は、北京訪問中の3日、温家宝首相から、ハーパー首相が中国訪問を延期したことに対する中国国家報道機関の批判はすべて正しい、と公に非難された。ハーパー首相は06年就任後、中国の人権問題を厳しく批判、中国訪問を延期していた。北京当局からのこの批判にもかかわらず、ハーパー首相は翌日の上海訪問中に、カナダ政府は、中国との貿易関係を求めるために中国の人権問題を改善させる努力を緩めることはなく、これからも引き続き中国の自由と人権問題に言及する、と表明した。

 ハーパー首相の北京当局に対する強硬な姿勢に、カナダの反対党が猛烈な批判を展開した。しかし、2日間の中国訪問で、ハーパー首相は中国から、豚肉輸入禁止の解除と、中国の団体旅行客の観光目的国として認定されるという大きな成果を上げた。特に観光目的国の認定は、前任の親中政府が10年掛けて努力しても得られなかった成果である。

 カナダの首相オフィスの情報によると、ハーパー首相は、北京で胡錦濤国家主席、温家宝首相との会見中、カナダ国籍のウイグル人異見者の釈放を求めた。また、上海でのスピーチの中では、カナダ政府は、中国との貿易関係の拡大を求めると同時に、中国の民主政治を促進させると表明した。

 北京当局は、このようなハーパー首相にムチを与えると同時に、アメも与えた。その理由として、北京当局は、中共との関係で期待される路線に乗ってこないハーパー首相に懸念を示している現れだ、と中国問題研究者は指摘する。中共政権は、簡単に丸め込むことのできないカナダ新政権への対応に戸惑い、これまで、予定した会合を取消したり、その取消しを再度取消したりという状態だった。強硬路線のハーパー首相を中共路線に取り込むためには熟慮が必要、と痛感したものと考えられる。

 事実、公に中共に友好を示す国のリーダーを北京当局は影で軽蔑している、と中国の元外交官・陳永林氏は指摘する。

 ハーパー首相が代表を務めるカナダ保守党政府は、06年に政権を獲得後、公に中共政権による人権侵害を批判しており、これまで中国が行ってきた、人権問題に関する密室での二国間協議を拒否してきたことから、両国の外交関係は冷えつつあった。

 当時、ハーパー首相は中国との経済関係について、次のように提案した。「カナダは、公の場で中国の人権問題に言及することで中国を激怒させるのではないかと心配する必要はない。中国は我々と同じく、あるいはそれ以上に、お互いの貿易を必要としている」

 事実、ハーパー政権下で対中貿易は伸び続けている。2006年まで下がり続けていたカナダの対中輸出は、この2年、11%以上のスピードで増長している。

 この現実に基づいて、アムネスティ・インターナショナルのカナダ支局秘書長、アレクスニフ氏は、最近、カナダ国会議事堂での会見で、人権を促すことで対中貿易に影響を及ぼすことはないと指摘し、政府に中国の人権問題改善に積極的に取り組むよう促した。

(翻訳編集・肖シンリ)