■大紀元日本 http://www.epochtimes.jp/jp/2010/01/html/d68985.html



2010年中国経済:インフレ抑制とGDP成長のトレードオフ

文・張陽(東北大学)

 【大紀元日本1月28日】中国政府は最近、2009年GDPの成長率が8・7%であると公表した。しかし、昨年11月以来、絶えず上昇し続けてきたCPI(消費者物価指数)はインフレの懸念を強め、今年の中国経済の見所はインフレ抑制とGDP成長にトレードオフであろう。

 昨年11月から、穀物相場は気候などの影響で大きく変動し、食品価格が次々に値上がりしたことで、インフレの懸念が一気に膨らんできた。10月以降、トウモロコシ、大豆かす、魚粉など食品原料の価格が大幅に値上がり、食品メーカーの多くは、原料価格が将来さらに高騰すると見ており、製品への価格転嫁を準備している。11月のCPIは前年同期に比べ0・6~0・8%上昇したが、12月になると、増幅はなんと1・9%となった。

 エコノミストの多くは、「インフレは制御可能な範囲にとどまり、2010年から2011年にかけて本格的なインフレが起きることはない」と予測しているが、インフレ懸念が増大すると共に、中国政府の金融政策は「緩和」から「臨機応変」と、引き締めも辞さない方向に舵が切られた。昨年12月に開催された中央経済工作会議で三つの議題が議論されたが、そのうちの一つとして、インフレ防止が挙げられた。経済政策の調整よりも政治的安定気味がより重いようであった。

 インフレから直接に影響を受けるのは、中国の貧困ライン以下で生活している農村部の人々と都市部のレイオフ家庭である。今かろうじて生活を維持している彼らは、インフレの影響で生活がさらに困難になり、これは中共への不満につながりかねない。これを社会不安定要素と強く見ている中国政府は最近、中国の銀行の貸付停止の政策を打ち出した。インフレを緩和するよりも国民の不満を和らげるのが本当の狙いであろう。

 中国国務院発展研究センター、世界銀行などの政府、研究機構は、相次いで2010年の中国GDP成長率の予測値を9%~10%と発表。金融引き締め政策の中国GDP成長率への影響は必至で、インフレ防止とGDP成長の間に如何にバランスを取るかが2010年の中国経済の見所であろう。