印刷版   

地球温暖化は野生動物にとって大きな脅威だ。(David BOILY/AFP PHOTO)

気候変動により危機に直面する動物たち

 【大紀元日本2月8日】昨年12月に開催されたコペンハーゲン会議(COP15/MOP15)では2100年までに大気中の二酸化炭素(CO2)が650ppmにまで上昇し、これにより現在よりも気温が3度上昇すると予測されている。この気温上昇は生物数千種の絶滅を意味していると専門家は警告している。

 IUCN(国際自然保護連合)が09年12月に発表した最新の報告では、地球温暖化が数十種類の野生動物にとって絶滅の危機に瀕すると指摘した内容が提示された。

 以下は報告中に列挙されている10種の野生動物たちである。

 
海氷の溶解により危機に直面しているゴマフアザラシ(Getty Images)

ホッキョクグマ同様、ゴマフアザラシ(体の背面は黒いまだら模様)も氷の上で生活している。もし夏になり、北極の海氷が全て消失してしまったらゴマフアザラシは絶滅の危機に瀕する。しかし専門家たちは、2040年までに夏季の北極は氷がひとつもない世界になるだろうと予想している。

 
南極ウィルクスランドの皇帝ペンギンコロニー(AFP PHOTO)

崩壊が進む棚氷では、皇帝ペンギンが深刻な事態に直面している。気温が上がり、融解した棚氷の亀裂から子どもペンギンが海に落ちて溺死しているのだ。また、主食とするオキアミなどの生物も劇減するという。 もし、地球の気温が2度上昇すれば世界中の皇帝ペンギンの繁殖地の40パーセントが消失すると専門家は予測している。

 
カクレクマノミの住処も減少(SAM YEH/Getty Images)

そう遠くない将来、われわれは海の中でカクレクマノミ『スズキ目スズメダイ科クマノミ亜科の魚の総称』の姿を見つけることが出来なくなるかもしれない。地球温暖化によるサンゴ礁の衰退は、この可愛らしい魚の住処であるイソギンチャクの数が減少する事を意味している。カクレクマノミはイソギンチャクの触手によって捕食者から身を守っているが、二酸化炭素(CO2)増加による海水の酸性度上昇は、カクレクマノミが自分の住むイソギンチャクに戻るための化学信号の受信を阻害しているという。

 
ナミビアの乾燥地帯で生長するキーバツリー(BRIGITTE WEIDLICH/AFP PHOTO)

南アフリカのナミビアの象徴的な木であるキーバーツリー(Quiver Tree:別名Kokerboom)『ユリ科アロエ属常緑多年草』、が生長する地区の平均気温が上昇傾向にある。ここ10年の干ばつにより赤道付近のキーバツリーが広範囲で枯れている。地域の樹木が問題なく生長しているとしてもキーバツリーの遺伝子の多様性は絶えず低下し続けていると専門家たちは警告している。

 
年々成体の個体数が減少しているサケ。(Bill Schaefer/Getty Images)

温暖化により雪解けが早まりつつあることが原因で冬季の河川の流動速度が増し、川底に産卵されるサケの卵や生まれた稚魚が押し流されている。これと逆に夏季の河川の流動速度は低下しており、これが淡水生息地での成体のサケの個体数減少の原因である可能性が高いようだ。

 これに加え人為的な乱獲なども問題になっている。

 
生息地が侵略を受ける北極ギツネ。(UWE MEINHOLD/Getty Images)

ツンドラ地帯の雪解けは北極ギツネからすれば悪い知らせだ。気候が暖かくなるということはアカギツネの北限が北上し、北極ギツネの領地に侵入してくることを意味し、これと同時に北極ギツネの獲物であるネズミなど小型げっ歯類も冬の生活場所である永久凍土地帯と深雪地帯が失われることも意味している。報告では暖冬になると積雪区の積雪が浅く湿ると同時に、土地の喪失とげっ歯類の数の減少が起きることを指摘している。

 
温暖化によりオサガメの性別バランスが崩れている。(ROBERTO SCHMIDT/Getty Images)

オサガメの性別の決定は他の爬虫類と同様に温度の影響を受ける。卵が発育する過程で平均温度が高いとメスが生まれる可能性が高くなるのだ。このため、気候温暖化は潜在的にオサガメの性別のバランスを崩す原因となっていると言えるだろう。

 
浜田水族館の白イルカが口から丸く泡を吐き出す(バブルリング)。(KAZUHIRO NOGI/Getty Images)

北極海氷の流出は白イルカの生存に深刻な影響をもたらし、直接的には海氷の減少により餌がとれにくくなっていることによってであり、間接的には人類が彼らの生息地に容易に入り込めるようになる事を意味している。更には北極海域を航行する多くの船舶の衝突事故が増加し、それに付随し騒音や化学汚染がもたらされ、白イルカの数が急速に減少していると考えられる。

 
飢餓の脅威に直面しているコアラ。(KAZUHIRO NOGI/Getty Images)

上昇を続けている大気中の二酸化炭素は豪州のユーカリの葉に含まれるたんぱく質を減少させると共にタンニンの含有量を増加させる。ユーカリの葉を食べるコアラが今までと同じ量の栄養を採る為には更に多くの葉を食べなければならなくなる。また、豪州の高温と干ばつが普遍的になることにより山火事が発生し、コアラの生存環境が脅かされる可能性も高くなる。

 
酸性の海水に浸蝕されるサンゴ(AFP PHOTO)

温暖化により海中で最もダメージを受けやすいのがエダサンゴ(和名:トゲスギミドリイシ)だ。海水の温度が上昇するとサンゴと共生している藻類が減少し白化現象が起こる。白化したサンゴは藻類から栄養分が得られなくなり徐々に死滅していく。また、酸性化した海水はサンゴの骨格(石灰質)を浸蝕し続けている。

(翻訳編集・市村)


 (10/02/08 05:00)  





■関連文章
  • 性変換可能な観賞魚クマノミは量産可能に=台湾(09/09/23)