THE EPOCH TIMES

『アイスランドでの法輪功と中共の対峙』著者へのインタビュー(二)

2010年12月24日 08時12分


 情報を伝える意義

 問:国民の意見を政府に反映させる方法はあるのでしょうか。個人に希望はあるのでしょうか。

 サルトン:民主主義政府ならあります。私たちが政府を選ぶからです。政府が最も恐れることは再選されない可能性です。つまり、民主主義国家では、政府は国民に対する責任があり、政府の決定に影響を与える力があります。問題を提起するメカニズムがあるのです。ここでメディアは最も重要な役割を果たします。例えばチベットのように、一つの問題をメディアが常に報道していれば、欧米社会での認知度が高くなるため、中国はチベットに対して強行措置をとりにくくなります。

 ですから、重要な点は、英国政府やフランス政府がチベットに関心を抱いているかということではなく、政治家を選出する国民、人々が、チベットを気遣っているかということにあります。つまり、人々に情報を伝えることが肝要なんです。だから人権なんです。人権侵害があるところでは、メッセージを伝えなければならない。アイスランドのケース、そして法輪功の迫害に関する事実など、より多くの人の知るところとなれば、政府の動きを左右することができ、逆に自国の政府を中国の人権問題の方向に向かわせることができると思います。

 少数民族

 問:ご自身の研究についてお伺いできますか。日本で研究されたことがあるそうですね。

 サルトン:比較法学の分野で、日本と英国の比較をしました。それぞれの国の少数民族に対するアプローチの違いですね。 英国は、世界でも最も外国人に慣れている国であり、日本は最も外国人に慣れていない国です。私の論点は、どの国にも少数民族が存在するので、日本が最も外国人に慣れていないということは事実ではないというものです。

 私は個人的に「日本は単一民族」という発想を受け入れることに支障があります。 日本の場合、そしてアイスランドの場合も、純粋な民族であるということが作り話に過ぎないということが行ってみると分かります。アイスランドには、ブロンドも赤毛もいるし日本人だって住んでいる。実に様々なんです。

 中国人の80%とか90%が漢民族に属するから、単一民族であると言いますが、これも作り話ですね。中国にはチベット、イスラム教徒がいるし、中国国内で使われる言語の多様性を考えてください。

 人類は常に接触をはかってきました。常に別の場所、別の人々を求めて移動しました。いわゆる「移民」です。そしていわゆる「少数民族」が生じるわけです。あなたも私も「少数民族」です。私はイギリス出身ではなくイタリアで生まれました。イタリアに行くと「多数派」の一員といえますが、イタリアの僻地から来たので、そういった意味で「少数派」です。あなたはテニスクラブの会員だから「少数派」かもしれません。つまり、私たちは多かれ少なかれ、ある種の「少数民族」なんです。ですから私は個人的に「単一民族」の発想を受け入れることに苦労します。

 中央集権化して、一まとめにした方が管理しやすいため、このような発想が生まれます。ナショナリズムを国民に植え付けるためには、我々は特別の集団であるということを信じさせなければなりません。 我々は純粋な民族だぞと。そして少数民族の存在を抹消します。

 著書に戻りますが、これが中国政府が法輪功にしていることです。中国の場合、法輪功学習者への殺害は、(ただ一律に殺りくするわけではなく、圧力をかけて迫害していることから)物理的なジェノサイドというより、文化的なジェノサイドといえます。 「私たちが最高であり、私たちが多数派」というナショナリズムが形成されており、自分たちの存続のため、法輪功が主流にならないようにサイドライン化する必要があるということです。

 法輪功のように、そしてチベットのように、特に「少数派」に影響力があり、国際的に関心がもたれている場合、そして本当に力をつけ始めた場合、政府は威嚇されたと感じ、真に恐怖を覚えます。

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