THE EPOCH TIMES

「学校で零点を取れ」 私の人生を変えた父

2011年01月01日 07時00分



 「しかし、試験で零点を取るということだから、試験のルールに従わなければならない。即ち、全ての質問に答えなければならないし白紙の提出も駄目だ。勿論、試験に参加しないこともルール違反だ。これでいいかい?」と父が確認してきました。こんなに簡単なことは、勿論問題ありません。僕は思わず、心の中でやったー!と叫びました。僕は、「問題ありません」と即答しました。

 そして、試験がやってきました。僕は正解を知っている問題に、すべて不正解の回答を書き込みました。しかし、後半になると正解が分からなくなるほど問題が難しくなって来ました。用紙を空白にしてはならないということなので、結局、これまでと同様に僕は適当に回答を埋めました。

 教室を出たときに、僕は自分の手に汗をかいていました。零点を取るのも難しいものだと感じました。適当に回答を埋めても、零点は取れないかもしれない、と少し不安になりました。

 そして、試験の結果が出ました。僕が期待していた「零点」ではなく、またも「C」でした。僕が成績表を父に渡すと、「君は零点を取れなかった。約束通り、私の管理と指示に従うね」と言われました。僕は顔を下に向けたまま、情けない自分を責めました。そして、父から「A」が取れるよう勉強せよという最悪の指示に従う心の準備をしました。

 父はまじめな顔で、「これから、君に一日も早く零点が取れるように指示をしよう。零点が取れた日、君は自由になれるんだからね」と言いました。それを聞いて、僕は自分の耳が変になったのか、それとも父の頭がおかしくなったのかと思いました。父は僕に「A」を取らせるための絶好のチャンスを逃したのです。

 「零点」と「A」を比べたら、やはり「零点」の方が僕にとって取りやすい。僕は、またも自由になれる希望の光が見えました。

 そして、次の試験がやってきました。残念ながら、結果はまたも「C」でした。そして、その次も、その次も・・・僕は「零点」を取ることに向かって突き進みました。一日も早く零点が取れるように僕はいつしか勉強を始めました。そして、試験問題に対する不正解の回答をますます把握できるようになりました。言い換えれば、僕は問題の正しい答えが分かるようになり、そのために勉強をする機会が多くなっていったのです。

 1年後、僕はとうとう「零点」を取ることに成功しました。

 その日、とても喜んだ父は自らの腕を奮ってご馳走を用意し、グラスを手に取って「おめでとう、君はやっと零点が取れたね」と僕にお祝いの言葉を贈り、ウインクまでしてきました。「Aを取れる学生だけが零点を取れるんだよ。この理屈を君は分かったかな?実は、これが最初から僕の計画だったんだ。君は私に騙されたんだよ。ワハハハ・・・」と、その時、父は勝ち誇った笑顔を僕に見せたのでした。

 父の言う通りです。僕はすっかり父にだまされたのです。

 

 (翻訳編集・曲豆)
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