大紀元時報

神秘なる卍符 どんな秘密が隠されているのか

2017年04月09日 06時00分
馬家窯文化(ばかようぶんか)カラー陶器の上に描かれた卍符
馬家窯文化(ばかようぶんか)カラー陶器の上に描かれた卍符

 卍符はヨーロッパ人と深遠なる淵源を持つが、今日、多くの西洋人はこの符号を見たとたん、ナチ軍の恐怖をすぐに連想してしまう。ドイツ政府はかつて、この符号を公に使用することを禁じ、恨みを煽動するシンボルと見解していた。

 ヒトラーはどうして、この図形をシンボルにしたのか?一般的な説のよると、ヒトラーはアーリア人種を代表するシンボルを探していたところ、彼の部下が東洋インド・ヨーロッパ語族の遺跡から卍符を見つけた。また、ヒトラーは若いころ、卍符の神秘なる力量を感じたため、それを採用したという説もあった。

 理由はさておき 、ナチのシンボルは卍符と明白な相違がある。ヒトラーはわざと相反する方向を採用し、卍符を立たせて使い、しかも黒色で真っ赤な背景色を並べ、「殺気」を潜ませた。伝統的に、「吉祥美好」を代表する卍符は、往々に明るい色彩が用いられていた。

 卍符は東西で同時に存在しており、しかも共通した意味を分かち合っている。

 当然のことながら、卍符の分布はヨーロッパで終わるわけではない。遠いアフリカにも、卍符の痕跡が見られる。一部のアフリカ民族はこの図形になんらかの馴染みがあるようだ。ガーナでは、黄金を量るポアズの造形が多くあり、中には卍符のシンボルも存在する。卍符は生命と関わり、最もめでたい図形であるとガーナ人は言う。古代コンゴ王国の伝統的な信仰では、ダイヤモンド形の卍符は、神聖の象徴である。コンゴ文化財収集家のマルク・レオ・フェリックス(Marc Leo Felix)氏は次のように語る、「卍符は生命の四つの重要な時期である誕生、成熟、死亡、再生を代表する。前半は世の中を示し、後半は霊界を指す。魂が転生し、生命が絶えず輪廻するという観点に立っている。また、一日の四つの時刻である朝、昼、夕暮れ、真夜中と解釈することも可能だ。

 アメリカン・インディアンが編んだじゅうたんと伝統のアパレルにも、卍符の図形が現れ、同じく吉祥や幸運を代表している。

 多くのアメリカ人はアメリカン・インディアンの伝統を受け入れ、卍符を「四つ葉のクローバー」あるいは「蹄鉄」と同様に幸運を呼ぶ符号と見なしている。1907年、E・Phillips氏は卍符を4つのLで構成した吉祥を意味する符号と見なし、それぞれ、幸運(LUCK)、生命(LIFE)、愛(LOVE)と光(LIGHT)を代表している。

 

アメリカン・インディアンのじゅうたんにある卍符の図形

 

1907年、E.フィリップ氏は卍符を4つのLで構成した吉祥を意味する符号と見なした(http://swastika-info.com)

 

 南米ブラジルで出土した古代インディアンの遺骨を納める瓶(かめ)。「喜んでいる人の姿の両側に卍符が飾られた」絵画が描かれている。この例は、また、前に述べた佛教、インド・ヨーロッパ語族、ギリシャ人とシュメール人の葬儀、またキリスト教の墓碑と呼応している。「卍符は生命の最も良い行き先を代表し、人の天国への憧れである」

 では、卍符の現れは人類文化が相互に踏襲したのか?あるいは、異なる信仰の共通点なのか?

 

馬家窯文化(ばかようぶんか)カラー陶器の上に描かれた卍符

 

 佛教が中国に伝わる前に、卍符はすでに中国古代の馬家窯文化(ばかようぶんか)の色彩陶器に現れていた。漢時代に使用された5バッチ貨幣にも見られる。佛教が中国に入って来た後、唐の武則天は卍符を「万」と命名し、「吉祥万徳の集まり」を表すものとした。中国人は卍符により神佛の加護を得られると信じ、日常生活の中によく採りいれていた。この伝統は今日まで伝承されている。例えば、台湾の民間には、新生児が生後満1か月になった時、母方の年長者の親戚が新生児の服に卍符を刺繍し、稚児が神佛の加護を得て、無事に成長するように願う風習がある。

 また、佛教は菜食を唱えるため、一部の菜食レストランや菜食を示すパックにも、卍符が用いられている。(ここではすでに原始的な意味を失っている)

 卍符が現れた時期や地理的な位置から見ると、卍符はほとんど同時に東西文化に普遍的に出現し、 異なる陸地で現れているにもかかわらず、その意義や用いられ方が極似している 。卍符は人類文化の中で重要な共通項と関わる。神仏、生命の生を祀り死を弔う儀式、人類の生活への憧れと希望の中に現れているのだ。卍符は「人類による恒久的な生命の幸福の願い」を代表しており、信仰とは切り離すことができないようだ。

人類が宇宙や生命の奥秘を認識するように導く卍符

 人類の神への信仰は普遍的で長い歴史を持っている。異なる時期、異なる地区、異なる民族文化の中で、異なる形式の神、佛への信仰が存在している。もしかすると、異なる時期や地域に、 違う覚者や先知する人が存在しており、人類が宇宙や生命の奥秘を認識するようにと、この神聖なるシンボルを残したのかもしれない。

 人類の知恵には限りがある。現在のわれわれは、宇宙の奥秘、卍符の由来をはっきりと理解することはできない。しかし、絶えず探索する道のりを通じて視野を広げ、さらに広大で謙虚な心を持つことで、人類は未知なる世界に直面していくだろうと信じている。

(2011年発行 大紀元日本語新聞・文化面の記事を再掲載)

(翻訳編集・李頁)
 
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