【大紀元日本5月12日】福岡県粕屋郡志免町には、その昔炭鉱で賑わった面影を残す「竪杭櫓(たてこうやぐら)」があります。国の重要文化財に指定されたこの建物から放たれるオーラは、訪れる者にインパクトを与えています。
近づいてみると、その古びた外観はやはり何とも言えない雰囲気。
現役だった頃は石炭の出る地層まで縦穴を掘るための昇降する機械が取り付けられていました。地上47.6メートル、8階建てのタワーです。
夕暮れ時になると、遠くを見つめ、昔に思いをはせているような寂しい表情を見せます。この竪坑櫓は近代に建設されたわが国で唯一の現存遺構として貴重な存在。近代建設技術史上においても価値が高いと称されています。
日本の近代化、経済成長を支えた石炭産業。筑豊・三池とともにその一翼を担ってきた粕屋郡志免町に今も現存する歴史の証です。
(写真/文・小川一博)
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