薬用植物 合歓木(ネムノキ)

夜になると向かい合う羽状の葉が閉じ合わさることから、「眠る木」または「寝る木」という意味で名付けられたネムノキ。中国では合歓樹(ごうかんじゅ)と呼ばれるマメ科の落葉高木で、梅雨の時期にはピンク色の穂状の花(雄しべの集合花)を樹上に咲かせます。この花を集めて乾燥させたものを合歓花(ごうかんか)と言い、漢方では不安や不眠を改善するための処方に配剤されます。樹皮にはサポニンやタンニンの他に、子宮収縮作用のある成分の含有も報告されており、樹皮を煎じて患部にあてる湿布療法には打撲による痛みを緩和する効果があります。

なお、「合歓」には「ともに喜び楽しむこと、男女が共寝すること」などの意味があります。

(吉本 悟)