2008年5月12日。現地時間の午後2時28分、四川大地震が起きた。
▼同年7月22日の中国民政部の報告によると、この地震による死者は6万9197人、行方不明者1万1222人。とは言うが、本当の数字は分からない。はっきり言えるのは、政府発表をはるかに上回る数だということだ。今回の中共ウイルス関連の政府発表の数字も、それと全く変わらない。
中国共産党の中央宣伝部が、まず発した命令は何か。「人命救助の場面を、できるだけ感動的に描き、救助隊の活躍を英雄的に報道しろ!」。要するに、悲惨な現実は全カットし、人命救助と被災者支援にあたる「党」をカッコよく演出しろ、である。繰り返すが、今回の中共ウイルス関連の国内報道も、それと全く変わらない。
▼犠牲者のなかで特に多かったのは、学校の倒壊により、下敷きになった子どもたちだった。がれきの下から小さな体が掘り出された時、その首には、紅領巾(ホンリンジン)という赤いスカーフが巻かれていた。
▼手でも割れる、豆腐のおからのようなコンクリートと、鉄筋をごまかして間引きした校舎は、強震にとても耐えられず、粉になって崩れた。この豆腐渣工程(おから工事)と呼ばれる粗悪建築が、中共の腐敗社会の産物であることは誰もが知っている。しかし、いくら腐敗撲滅キャンペーンをかけても、なくならない。腐敗は中共そのものなのだ。
▼死んだ子どもたちに罪はない。許しがたいのは、中共の少年先鋒隊のシンボルである紅領巾と、おから工事の校舎である。12年経った今でも、思い出せば怒りがこみ上げる。