「目にも、肝臓にも良い」漢方医が薦める薬膳スープ

スマホやパソコンに向かうことの多い日々。目が疲れると、体全体に疲労感を感じるものです。

そんな時に、ぜひお試しいただきたい薬膳スープをご紹介しましょう。目の疲れを緩和して、視界をはっきりさせるとともに、肝臓を養って血液の「気」を補うことができますので、体力回復にはぴったりの一品。作り方も簡単です。

紹介してくれるのは、台北市にある宜陞漢方クリニック院長・呉宏乾氏。では呉先生、お願いします。

視力と体力の回復に「リュウガンの玉子スープ」

親愛なる日本の皆様、こんにちは。私は、台湾の漢方医で呉宏乾と申します。
今日、皆様にご紹介するのは「龍眼鶏蛋湯(リュウガンの玉子スープ)」です。目の疲れになる眼精疲労を軽減し、全身の体力を回復させるとともに、精神を安定させる効果もあるという、まことに好ましい薬膳料理の一品です。簡単に作れますので、ぜひ日本の皆様もお試しになってください。

材料に使われているクコ(枸杞)は、血糖を低下させるとともに、脂肪肝や動脈硬化の抑制にも効果があります。また、慢性肝炎のほか、網膜炎や視神経の萎縮など多くの眼疾患に効果的とされています。

リュウガン(龍眼)は「果中神(果物のなかの神)」と呼ばれるほど、特別な果実と見なされています。タンパク質、糖類、有機酸、食物繊維および多種のビタミンとミネラル物質などを多く含みます。それらは体に滋養を補給し、血を養い、神経を鎮め、陽気を増進します。また、脾臓にも有益で、食欲増進のほか、皮膚を潤すことで美容やアンチエイジングの効果も発揮します。

「リュウガンの玉子スープ」。目や体が疲れた時に、ぜひお試しください。(幸福文化提供)

スープの材料は、クコ40g、リュウガン10g、オウギ(黄耆)30g、鶏卵2個。
作り方は、クコ、リュウガン、オウギを土鍋に入れ、2000 ccの水で煮ます。材料のエキスが十分出たら、別にゆでておいた鶏卵を入れ、さらに弱火で15分ほど煮ます。オウギの出しガラは取り除きますが、食べることもできます。
注意点として、「体内に炎症があり、熱がこもりやすい状態の人」と「風邪で喉に炎症がある、痰が多い、腸内ガスが溜まりやすい、消化不良、などの症状がある人」は、リュウガンを多く食べないでください。
できあがったスープは、一日分として服用してください。玉子は、朝と夕に一個ずつ食べます。

日本の皆様が、いつまでもお元気でありますよう、祈念いたします。

(文・呉宏乾 翻訳編集・鳥飼聡)