北欧神話 英雄ベーオウルフの活躍(1) 

スカンジナビアの古い神話、ベーオウルフの物語をご存知ですか。この物語は最も古い叙事詩として保存されており、現存する写本がイギリスで書かれた1冊のみであるため、イギリス文学最古の伝承の一つとも言われています。

フロースガール王の統治時代のデンマークは繁栄し、王は人々に愛されていました。これを証明するために、王は大きなホールを建てました。そこで人々は一緒に食べたり、お酒を飲んで、騒いでいました。

しかし、この新しく建てられたホールに皆が満足していたわけではありませんでした。沼地には、グレンデルという恐ろしい怪獣がいて、止まない騒音とお祝い騒ぎに激怒しました。グレンデルの怒りはおさまらず、デンマーク人を襲い、沢山の人々を殺し、抵抗する人々を馬鹿にしていました。人々は追い詰められ、なす術もなく絶望していました。

何年も後、フロースガール王が苦境に陥ったという噂が国中に広がり、ある日、ベーオウルフという若い戦士がこの噂を聞きつけ、人々を助けて一緒に戦い、怪獣を倒すと心に決めました。ベーオウルフの性格は勇敢で、皆からは剣の達人と呼ばれていました。彼は怪獣の脅威に屈服することはなかったのです。

ベーオウルフが到着した後、フロースガール王は彼の援助をとても喜び、彼のために宴会を開きました。

しかし、皆が彼を信じているわけではなかったのです。宴席が進むにつれて、アンファースという男がこの若者に嫉妬し始め、彼をからかい、べーオウルフはこの栄誉にふさわしくないと言いました。しかし、ベーオウルフが過去の武勇伝を語るとアンファースは何も言えなくなりました。ベーオウルフに励まされ、デンマークの人々は興奮し、深夜まで宴席が続きました。

しかし、グレンデルが自分の目の前で行われるこんな騒々しい宴会を好むわけはなく、グレンデルはすぐにでも宴会をやめさせたかったのです。一方でベーオウルフも戦う準備ができていました。ベーオウルフは素手で怪獣と戦い始め、その戦いはとても凄惨な戦いでした。

グレンデルはこの新しく来た相手に驚き、少し怖くなりました。グレンデルは闇の夜に紛れて逃げようとしましたが、うまくいきませんでした。戦いの中で、グレンデルは腕を切り落とされ、やがては逃げだしましたが、数時間後に死んでしまいました。デンマークの人々は喜び、ベーオウルフに多くの贈り物を持って来て盛大に祝いました。

(翻訳・金水静)