高智晟著『神とともに戦う』(86)権利を護りぬいた軌跡「この政権の敵は他でもない」(5)


 ある日の夜中、一人の中年の私服警官がライトの前をふらふらと歩いていた時、彼が羽織っていた警察の制服がチラッと見えたので、私は顔を横に向けて警察番号をよく確認しようと思いました。気付いた彼は慌てて手で隠しながら『見るな! この制服は私の物ではない。外に出たら出鱈目を書くんじゃないぞ!』と言いました。張子の虎のようにびくびくしている臆病者の彼を見て、私は不憫でたまりませんでした。この中年の警官は私を残忍に苦しめる悪質な警官の一人でした。しかし2カ月後の拷問に再び呼び出された際、彼の警察番号は034054だと確認できました。また3回もグループ交代して私に拷問を行い続けた日に『知っているか? この特別拷問室は死刑囚と無期懲役の殺人犯に使う場所だ。あんたがここで拷問を受けるということは、最低でも20、30年の判決になるだろう』などと、皆が順番に私を恐喝しました。依然として黙っている私を見て、ある40歳弱の私服警官は腹が立ったようで『あんたは地方出身なので、もしかしたらこの間にもう旦那に捨てられているかもしれないよ。今は旦那の隣に違う女性が寝ているかもしれないな』と卑劣な手口で私達夫婦の仲を引き裂こうと、精神的に私を苦しめ始めました。私は相変わらず沈黙を保ったままでした。それからまた『北京では誰がお前達のリーダーなのか? 誰があんた達をあちこちへ行くように指示しているのか? もし事実を言わなければ10年、20年でも懲役にしてやる』と、私服警官が一人芝居を続けていました。

 ある私服女性警官が、ずっと沈黙している私に頭に来て怒鳴り始めました。『気は確かか? 今すぐにでも精神病院に送り込んで日本映画『君よ憤怒の河を渉れ』のストーリーみたいに注射と薬物で気違い女にしてやるよ。政府にそういう手が使えないと思ったら大間違いだ。もうちょっと賢くなれ……!』」

(続く)