【党文化の解体】第7章(7)

【大紀元日本6月13日】

4.子作りを制限する、夫婦は革命の同志である、男女に区別なし、女性も天の半分を担える

党文化は政治、経済のような公共の分野を占領したほか、国民のプライバシーの家庭生活にまで介入している。結婚するかしないか、誰と結婚するか、子供を何人生むか、いつ生ませて良いかに共産党は全部介入して、また国家権利を動かして全面的に干渉する。

結婚はもともと夫婦の縁によるもので、恋愛と結婚は人類の永遠のロマンチックな話題で、家庭は人生の航程において安らぎの港のようなものである。夫婦のむつまじい仲と家族団らんは誰もが期待する幸福である。しかし、共産党は「階級闘争」を家庭内にも導入している。夫婦は立場の明らかな「革命同志」となり、政治闘争は職場から家庭の厨房と寝室まで延伸して、たくさんの家庭関係が変異された。

神様は男と女を作ったのは、陰と陽、柔と剛が互いに補ってもらうためで、そのため男女は性格の特性と体力においてそれぞれの長所を持っている。共産党は女を男のように改造させようとして、「男女に区別がない」、「女性も天の半分を担える」などと吹聴した。こうして就職、就学、政治界において女性の地位上昇を達成させなかったばかりか、かえって中国女性の温厚と優しさを消滅させてしまい、中国特有の「陰盛陽衰」という極めて悪い結果を招いた。

1)産児制限

中国では「計画的出産」という党の「国策」があり、国際社会では「一人っ子政策」と呼ばれ、女性と児童の権益に関わる問題が多くあるため、世界中大きな論争を引き起こしている。ここではこの政策が正しいかを討論しないが、この政策が打ち出された背景に、いかなる神様の存在も信じない、神様に反逆することでも敢行する党文化の要素が存在している事実が分かるだろう。

中国伝統の王朝社会でも、ナチスのような全体主義の国でも、政府は民衆の私生活、特に子作りのようなことを干渉しないが、中国共産党は違う。

共産党は何でも自分の計画に取り入れたいため、一九五六年の中国共産党の第八回全体大会に、「計画経済」体制の外延として、「生育節制」の主張を打ち出した。一九五七年二月二十七日、毛沢東は上層国務会議に「布類、家具、鋼鉄など工場の生産について国はすべて計画を持っているが、人類自身を生産することだけに計画がなくて、これはアナーキズムだ。時には少し増やして時には暫く中断して、人類を計画的に増加させるべきだ」と言った。このような唯物論由来の思想に沿って、子作りを布類と鉄鋼の生産と同じように考慮するのであれば、「計画経済」の実施と同じく、中国共産党の人口を制御しようとする行為も理解できないこともない。

一九五七年大躍進の時、「食糧衛星」が宇宙に飛んだ後に、毛沢東と中国共産党は考え方を変えて、「人口が多いのは良いことだ」は主流思想になった。それで、「人口が多ければ力も大きくなる」、「人口が多いと食糧を消耗するが、世界を創る労働力にもなる」などのスローガンの下で、中国の女性はたくさんの子供を生むように励まされて、十人以上の子女を生んだ女性は「栄光の母親」と表彰された。当時北京大学の馬寅初校長が人口増長を心配するために書いた『新人口論』は、「ブルジョアジーの謬説」「右派の反撃」と決め付けられて、徹底的な摘発と批判をされた。

このような人口政策は六十、七十年代の人口急増を招いた。一九八一年三月六日、中国共産党は「計画生育委員会(計生委)」を設立して、強制手段で子作りを減らそうとした。「計画的出産」はすぐ中国共産党の「根本政策」になった。

中国共産党の「計画的生育」は外国の「家庭計画(Family Planning)」と根本的に異なっている。「家庭計画」は通常、国民自らの意志で行われ、政府の補助、関連サービスとカウンセリングをもらえる。一方、中国共産党の「計画的生育」は公民の義務として憲法に規定されて、遅い結婚と出産が提唱されて(ひいては多くのところで強制される)、一部の例外を除けば、夫婦は一人の子供しか持てない、出産適齢の女性は「出産許可」を持たないと妊娠することも禁止される。

「計画的生育」はきわめて暴力的な強制措置で実行されてきた。胎児の生まれる前、或いは中絶手術がまだ実行して良い時に、産児制限委員会は「政策を守らずに妊娠した」妊婦を病院に連行して中絶手術を強いる。もし赤ちゃんが生まれてから発見される場合、産児制限委員会は「法律に基づいて」その家庭に高額な罰金を処罰する。

実際の操作の中で、中国共産党はこれまでと少しも変わらずに暴力手段を取って、

少しも人権を考慮しない。「計画的生育」の執行は非常に残酷なものである。特に二人目以降の子供を生む農民家庭に対して、中国共産党は少しの憐憫もない。「出産許可」がなければ、たとえ臨月の妊婦でも必ず中絶を強いられる。赤ちゃんが生まれたとしても、医者と看護婦は赤ん坊を無残に死なさないといけない。統計によると、「計画的生育」が始まってから、強制中絶をされた胎児と生まれたばかりで殺された新生児は、合わせて四千万人にも及ぶ。 

農村部に行ったら、殺気に満ちた「計画的生育」のスローガンがところどころに見られる。「家庭を壊しても、人口膨張で国を亡くさせない」、「出産超過」して高額な罰金を払えず、仕方なく自殺を図る人に対して「農薬を飲んで自殺を図る者を止めようとしない、首吊り自殺を図る者に縄を渡してあげる」、「『計画的生育』を破った一人が現れると、村人全員にパイプカットの手術を強いる」、「一人目は生んで良い、二人目を生むとパイプカットの手術をさせる、三人四人目なら中絶手術をさせる」、「一人目を生んでから女性の体に避妊器具を入れる、二人目を生むとパイプカットの手術をさせる、三人四人目の赤ん坊を殺してやる」、「たとえ血が河のように流れても、一人っ子政策を破ることを許さない」、「十基の墓を増やしても、赤ちゃん一人を増やさない」など。こんなに残忍なスローガンは中国の至る所に見られる。しかも言葉に止まるだけでなく、「出産超過」の家庭に対して、家財を差し押さえる、家屋を壊す、主人を逮捕する、家族か親戚を連座する、新生児を殺すなどの手段が実際に取られているが、人々はおかしいとも思わなくなっている。

(続く)