THE EPOCH TIMES

9歳の孤児デビくん 特別な方法で母親を探す

2015年02月24日 07時00分

 

 有名人になったデビくん

 03年12月1日、レイクさんのトークショー番組が再開した日、彼はスタジオの中央に立ち、全国の視聴者に向けて、この貴重な経験を語った。彼は涙を浮かべながら、10件の善事を行った経験と、それによって自分の人生にもたらされた変化を30分かけて話した。最後には声を詰まらせながら、次のように語った。「これを真実だと思わない人がいるかもしれません。しかし私は、自分の愛を人に捧げた時、本当に満足感で全身が満たされたのです。あなたも10人の人を助けてみて下さい。きっとあなたの生命にも、不思議な変化が訪れるでしょう」

 テレビを通じ、レイクさんの話はドイツ全土に伝えられた。人々はこの物語に深く感動し、多くの人がレイクさんに電話をかけ、自分も10件の善い事をしたいと表明した。さらに、多くの視聴者がデビくんの出演を強く求め、この愛に満ちた男の子の顔を一目見たいと要望したのである。

 全国民に感動

 04年1月、デビくんはテレビ局のスタジオに招かれた。スタジオの視聴者はデビくんに、どうやってこのことを思いついたのかと尋ねた。デビくんは顔を赤からめながら、母親に対する思いを話した。レイクさんはデビくんを抱きしめながら、「君のお母さんは、きっと君のことが大好きなはずだ。君は必ず、お母さんを見つけることができるよ」と話した。

 その後、ドイツ全国で「10件の善い事を行う」運動が起きた。人々は、自分が助けた人がデビくんのお母さんでありますようにと祈った。同時にテレビ局は全力でデビくんの母親を探したが、そのような女性は現れなかった。

 悲しい事件

 04年2月に悲しい事件が起った。デビくんが通っている学校は貧しい家庭の子供が多く、一部の子供たちは小さい時からすでにギャングの一員だった。デビくんが有名になると、不良少年たちがデビくんを狙うようになった。彼らは、有名になったデビくんがお金をたくさん持っていると思ったのだ。

 04年2月16日の夜、デビくんは学校からの帰宅途中、数人の不良に囲まれて、お金を要求された。しかしデビくんがお金を持っていなかったため、怒った少年たちは、刃物でデビくんの腹部を刺した。刃物は肝臓に達し、デビくんは大量に出血した。2時間後、パトロール中の警察官に発見され、病院に搬送されたデビくんは、意識が朦朧とする中で「お母さん、お母さん…」とつぶやいていた。

 数万の「母親」

 テレビ局は24時間、デビくんの病状を中継し、多くの人々が彼の回復を祈った。

 デビくんが怪我をしたことが放送されると、数千、数万の女性がテレビ局に電話をかけ、デビくんのお母さんになりたいと申し出た。テレビ局は慎重に考慮したうえで、デビくんと同じ地域に住んでいるキュウテイさんを彼の母親として選出したのである。

 キュウテイさんの子供は数年前に行方不明になり、彼女はずっと子供を探していた。彼女は電話で、「もし、私の子供がデビくんのように私を思ってくれていたら、幸せに思います。私はデビくんの母親になりたい。一人の母親として、彼を愛したい」と話した。

 母親と対面

 04年2月17日の朝、昏睡状態だったデビくんは目を開けた。彼の目の前には一束の美しい百合の花を持ったキュウテイさんが立っていた。彼女はデビくんの小さな手を握り、「デビ、私はあなたの母ですよ」と小さな声で話しかけた。デビくんは驚きを隠せないまま、「あなたは本当に私のお母さんですか」と聞いた。キュウテイさんは、涙を浮かべて軽く頷いた。デビくんは目に涙を浮かべて言った。「お母さん、僕は長い間あなたを探していました!もう僕から離れないでください」

 キュウテイさんは頷きながら、「お母さんはもうあなたを離しませんよ。安心してね」と答えた。デビくんの青白い顔に微笑みが現れた。しかし、すでに彼に力はなく、現場にいる医療関係者はみな、涙を流した。

 安らかに逝く

 04年2月18日、デビくんは静かにこの世を去った。最後まで、彼は母親の手を握っていたという。

(翻訳編集・東方)
関連キーワード
LINE NEWSに『中国の今を伝える 大紀元時報』を登録する方法
^