北欧と日本のインテリアの良さを融合 人気のジャパンディスタイルの8つのポイント

この2年間で、新型コロナウイルスによって人々が家で過ごす日数が増え、ミニマムで実用的、かつ美的な家のスタイルが流行しています。

そのうち、特に注目されているのがジャパンディスタイルというもので、欧風と和風、一つの家で二つのスタイルを楽しめ、最近、欧米で流行しています。どうすればジャパンディスタイルを実現できるでしょうか?専門家によるアドバイスをご紹介します。

ジャパンディスタイルとは

ジャパンディスタイルは、欧米のスカンジナビア日本という異なる二つの良さを融合させ、自然とミニマムが見事に融合したインテリアスタイルです。英語でジャパンディスタイル(略称ジャパンディ)あるいはスカンジージャパニーズと呼ばれています。

日本と北欧のスタイルは、どちらもミニマムで似たようなスタイルですが、基本的な相違もあります。例えば、全体の色で言えば、和風は自然な木の色が主体で自然への回帰を感じさせ、北欧はシンプルなパレットの上に豊かなアクセントカラーを使い、彩度を高くしています。

家具では、北欧は木や金属を使った滑らかで丸みのあるフォルムで、日本は低くコンパクトで、陶磁器や竹、木、綿などの自然素材を使い、収納を重視したものです。
 

北欧スタイルは、シンプルなトーンをベースにし、豊かな装飾色を使用して、高い彩度を実現しています。(シャッターストック)

では、北欧の上品なスタイルに日本の温もりやナチュラルさを融合させ、美的に調和した家にするにはどうしたらいいのでしょうか?

インテリアデザイナーであり、リフォーム会社HaticeXInterior社の創設者でもあるハウティス・オシサー博士は、ジャパンディスタイルのポイントを8つ要約しています。これらの要素を使いこなすことで、一つの家で二つのスタイルを楽しめることができます。
 

ジャパンディスタイルの八つの要素

1 ミニマルデザインの原則に従う
和風、北欧風、どちらのスタイルもミニマルデザインの原則に従っています。
ミニマリズムは1950年代のモダン・ムーブメントに始まったという説や、そもそもミニマリズムの芸術や建築は日本の建築に影響を受けたという説もありますが、いずれにしても、ミニマリズムデザインの基本理念は、全てを本質に立ち戻らせ、シンプルライフの本質を実現することです。

2 シンプルなラインでクリーンな空間を作る
シンプルでクリーンなラインはジャパンディスタイルの目標です。ミニマリズムとクリーンなラインを踏襲すれば、ジャパンディスタイルの特徴の一つであるクリーンな空間が出来上がります。

3 自然素材を使う
スカンジナビアと日本、この二つの文化は自然の力を実感させます。どちらも自然を大切にしてこそ平和に暮らせることを実感したのでしょう。木材は最も重要な素材の一つです。ライトオークはジャパンディスタイルの中に最も人気のある木材です。

床材や家具だけではなく、綿や麻のカーテン、クッションや枕など、より自然なファブリックが使われ、ナチュラルな木板の温かみが感じられ、自然な木目を楽しむことができます。

日本の北欧スタイルは、可能な限り多くの天然素材を使用しています(Shutterstock)

4 調整色を使い、コントラストカラーを加える
ジャパニーズカラーは丸太の自然な色が中心ですが、局所的な空間にはダークカラーを使用することでグラデーションを出すことができます。

5 環境に配慮し、地元で調達した素材を使う
部屋には、竹やわらで編んだ手工芸品など、持続可能な素材を使った家具が多く置かれています。これも設計思想に含まれています。

6 高品質な家具へ投資
ジャパンディスタイルな家具は、機能性と美を追求したデザインです。丸太、竹、藤、綿、麻などの天然素材を使用し、すっきりとして上品な印象に仕上げています。

竹、籐、綿、リネンなどは、家をエレガントでファッショナブルに見せます(Shutterstock)

また、日本の伝統的な家具は比較的に背が低く、実用的で親しみやすいデザインになりますが、広さは十分ではありません。ジャパンディでは、優れた収納とシンプルな暮らしに戻るという原則を継承し、優れた丸太の収納ボックスに日用品を収納し、全体的にシンプルで快適な感じをさせます。

7 上品な観葉植物を使用
盆栽や竹、吊り鉢などの上品な観葉植物を使用します。北欧は葉っぱが大きい植物が多く、日本家庭では小さな植物が好まれる傾向にありますが、どちらもキッチンやお手洗い、リビングなどの空間でコーディネートすることができます。

北欧の大きな葉の植物と日本のバスルームの組み合わせ(Shutterstock)

8 ソフトな照明
ジャパンディの照明は、シーリングライトを使用せず、フロアライトやペンダントライト、スポットライトが中心です。照明の色は部屋にマッチし、鮮やかすぎたり眩しすぎたりせず、調和することが重要です。

光を和らげるために、日本家庭でよく使われる障子や収納パーテーションを間仕切りとして使用することができます。

まとめ

「ジャパンディスタイル」は哲学ではあります。

要するに、シンプルでクリーンなライン、整然とした空間、ナチュラルな木材がジャパンディの基本原則であり、自然素材に幾何学模様やデスクチャ、ダークなコントラストカラーが入った中性色がその特徴の一つであり、優れた家具や手工芸品、環境に配慮した地元素材の使用、そしてシンプルなライフスタイルこそ、ジャパンディの本質でしょう。

オシサー博士によれば、ジャパンディは単なる装飾的なトレンドや物理的なスタイルデザインではなく、ライフスタイルや哲学でもあるとのことです。それはオーナーがシンプルで静かな自然なスタイルの中で、深い禅と閑適の生活を好むからかもしれません。

(翻訳・單歆)