THE EPOCH TIMES

東方と西方の救世主

2015年07月20日 07時00分

聖書では、人類の終末が近づくとイスラエルが復国し、その後、救世主であるメシアが現れると予言されている。佛教の経典の中にも、優曇華(うどんげ)が咲くと未来佛である弥勒が現れて衆生を普く済度する、との記載がある。現在、予言された「イスラエルの復国」と「優曇華の開花」はすでに確認されているが、末劫期の救世主は私達の周りに来ているのだろうか?

弥勒とメシア

 歴史、佛教、インドに詳しい季羨林(きせんりん、1911~2009年)氏と、その弟子である上海復旦大学の銭文忠(せんぶんちゅう)教授は、佛教における「未来佛の弥勒」と、キリスト教における「救世主のメシア」は同一人物である、と指摘する。

 二人の研究によれば、紀元前1000年ごろ、西アジア、北アフリカ、小アジア、メソポタミア、エジプトを含む広大な地区に、未来に救世主が現れるという信仰があった。キリスト教においては、メシアは救世主信仰の最も代表的な存在である。この信仰に関する記述は旧約聖書の中に見られる。一方、インドから広がったとされる未来佛である弥勒信仰も、佛教が普及するより遥かに昔から、そして遥かに広い地域に亘って信じられており、末世の救世主信仰の一部分を成していた。

 弥勒はサンスクリット語ではMaitreyaと書き、パーリ語ではMetteyaと書く。大唐の玄奘法師は弥勒という翻訳は間違っており、正しくは「梅但利耶」(メタリア)と訳すべきであると提唱したが、この意見は一般的には受け入れられなかった。一方、メシアはヘブライ語ではMasiahと書き(Mashiachとも書く)、その英訳はMessiahである。ギリシア語ではこれをChristosと訳し、そこからChrist(キリスト)という言葉が生まれた。サンスクリット語のMaitreyaとヘブライ語のMasiahは発音が近く、両者が同じ言葉の音訳違いであると両氏は指摘する。このような類似は人類の歴史上よく見られる現象で、故に弥勒とメシアは、実際には同じ人物を指していると結論づけている。

弥勒と轉輪聖王

 佛経の記述によると、弥勒という名は「万王の王」が末世に最も高いところから下りて来る時に使われる佛号であり、法輪聖王とは「万王の王」が法界に下りて来る時に使われる法名である(世間では轉輪聖王と呼ぶ)。故に、釈迦牟尼は弟子たちに「法輪聖王は弥勒とも称する」と説いた。

 中国の甘粛省甘南チベット族自治州夏河県に、ゲルク派六大寺のひとつであるラブラン寺がある。この寺院は1710年にジャムヤン・シェパ一世によって創建された。寺院内に祀ってあるいくつかの佛像には、未来佛、弥勒の秘密が隠されているという。

 この寺院の大金瓦殿の中央に祀ってある弥勒大佛像は、200年前にネパールの職人を招いて鋳造した金めっきの銅像で、その高さは10メートルにも及ぶ。そしてこの弥勒佛像の前には、一体の小さな釈迦牟尼佛の銅像が置かれている。このように、弥勒佛像と釈迦牟尼佛像が前後大小に並べて祀られているのは、非常に珍しい。

 ラブラン寺院のラマ僧の解釈はこうだ。「前に置かれた小さい佛像は釈迦牟尼佛と彼の弟子たちであり、後ろに置かれた大きい佛像は宇宙の中で最も神通力が高い弥勒佛である。弥勒佛は法輪を持って下りてきて、宇宙の衆生を済度し、且つ宇宙の衆生の唯一の救世主である」。ラマ僧によると、釈迦牟尼佛像と弥勒佛像の大きさの違いは、弥勒佛の次元の高さ、神通力の大きさを表わしているという。

救世主の降臨

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