【掌編小説】牛刀という道具  『荘子』より

昔の中国に、料理の名人がいた。名を庖丁(ほうてい)という。
2021/08/11

【掌編小説】岐路で泣く 『蒙求』より

楊朱は、その分岐点に立ったまま、久しく泣いていた。
2021/08/07

【掌編小説】禹王治水

中国史とは、ぶつ切りの王朝史をずらりと一列に並べた、なんとも奇妙な形状である。
2021/08/02

【掌編小説】蛇を捕える者の涙  柳宗元『捕蛇者説』をもとに改編

赤蛇を、徹底して駆除すべし。この世からも。人の心からも
2021/04/10

【掌編小説】大運河の柳  白居易「隋堤柳」より

後世の中国皇帝は、我が身を戒めるため、何を見るのが良いか。隋堤の亡国の柳樹を見てほしい。
2021/04/01

【掌編小説】腕を折った翁  白居易「新豊折臂翁」より

新豊の村で出会った一人の翁。その右腕は、異様に折れ曲がっていた。
2021/03/20

【掌編小説】月と遊ぶ  李白「月下独酌」より

月を友として迎えれば、我と、我が影と、三人になる。
2021/03/03

【掌編小説】炭売りのじいさん  白居易「賣炭翁(炭を売る翁)」より

長安の南に、終南山という山がある。その山の麓に、炭売りのじいさんがいた。
2021/02/23

【掌編小説】闇夜の涙  杜甫「石壕吏(石壕の吏)」より

真夜中の闇に、家人のかすかなむせび泣きが聞こえた。その後、下吏は老婆を連れて去ったらしい。
2021/02/20