80歳を過ぎたチャック・フィニー(Chuck Feeney)さんは奥さんと米国サンフランシスコにある狭い賃貸住宅に住んでいる。

彼はブランドの衣服を着たことはなく、眼鏡はぼろぼろ。腕時計は街角の露店で買い、豪華な食事を好まず、値段の安いチーズやトマトのサンドイッチなどを食べている。自家用車も持っていないので、外出するときはバスを利用し、鞄は小さな布袋のみ。寝る時は必ず消灯し、他人にもそれを要求するという。

以前、彼の長距離電話の通話料がかかりすぎたことがあった。その後、彼は家の電話を切り、娘には公衆電話からかけるように伝えたという逸話がある。

フィニーさんは1931年に米国ニュージャージー州で生まれた敬虔なキリスト教信者。 貧乏な生活を送っているが、実は億万長者の一人である。1960年、世界的な免税店グループを創設し、巨額の財産を築き上げた。

彼は資本金80億ドルで「大西洋慈善基金会」を創立し、すでに40億ドル以上を寄付。2016年を前に残りの40億ドルを全部寄付することを決めており、それから毎年4億ドル以上を寄付するという。これまでに寄付した金額は、全米で3番目に高額だ。

彼は教育への情熱もある。母校のコーネル大学に5.88億ドル、カリフォルニア大学に1.25億ドル、スタンフォード大学に6千万ドル、アイルランドと北アイルランドの学校に10億ドルをそれぞれ寄付した。更に発展途上国の唇顎裂の児童のために手術費を提供し、アフリカの急性伝染病を制圧するために巨額の資金を投じた。

「二つの足には一足の靴しか履けない。死体を巻く布に財産を入れるポケットは付いていない。天国にお金は必要ない」という言葉がフィニーさんの座右の銘だ。
 

(翻訳編集・邑丘)