中国臓器移植いまもなお活況 移植病院の機密映像で明らかに

2021年01月07日 16時15分

中国国内の臓器移植病院を秘密裏に撮影した映像が、このほど、撮影者により公開された。実際に移植手術を受けたと語る人は、待機時間は1週間であり、病院には「豊富な移植臓器がある」と述べている。

中国の元実業家・于溟(ウ・メイ)さんは、2018年末から2019年初めにかけて、中国軍の病院や武装警察の病院など多数の大型病院を訪ね、臓器移植に関する現地情報を入手した。こうした映像を公開するために、19年1月にタイ経由で米国に渡り、亡命を申請している。

于溟さんは2020年9月、大紀元香港の時事報道番組「珍言真語」に出演し、中国本土で収録した未公開の映像を公開した。

北京の武警総病院の移植病棟とされる映像には「昨年、肝臓移植を受けた」という中年女性が于溟さんの質問に回答している。女性は、わずか1週間の待機時間で、手術費用は40万元だったと語った。「昨年は臓器が多かった」「医師は健康な人の臓器を提供している」ことを明らかにした。

今回、于溟さんの調査で、腎移植を受けた人の年齢は、最高齢は78歳、最年少で3カ月だったと番組で述べた。北京にある軍301病院の院内では子供が腎移植を受けていた。ある女性は、その子供は拒絶反応などを理由に、すでに3度の移植手術を受けたと話した。「子供の移植臓器がただちに見つかるだろうか。その臓器は一体どこから来たというのか」と番組中に于溟さんは述べた。

于溟さんは中国本土で法輪功を学んでいた。アパレル会社を運営し、従業員百人を抱える実業家だった。しかし、中国共産党は信仰を理由に于溟さんを合わせて4回投獄し、計12年を刑務所で過ごした。于溟さん自身も収監中に拷問に加えて頻繁に血液・骨髄検査を受けており、ドナーのターゲットになっていたと考えている。

2006年、カナダの人権弁護士デービッド・マタス氏らによる独立調査で、中国共産党の良心の囚人に対する臓器強制摘出問題が暴露された。以後、欧米の多くの議会や政府、また国際人権団体がこの問題を非難している。しかし、このほど于溟さんが記録した大型病院、軍病院、武警病院の内部映像を見る限り、移植臓器の豊富な供給があるようだ。

「中国国内の臓器移植は活況のようだ。病院のコストはきわめて低いにも関わらず利潤はとても高い。突発的な移植手術もある。病院は多くの移植臓器を低価格で販売している」と于溟さんは述べた。

于溟さんが聞き取り調査を行ったところ、北京の解放軍第309病院、第307病院、武警総病院、北京大学人民病院など病床1000以上の大型病院でも、基本的に腎移植は35万元前後(約560万円)だったという。主治医には5~10万元の謝礼を渡すことがある。医師は「すぐに(臓器は)見つかるので、『待つ必要はない』と言っている」という。

「肝臓と腎臓、膵臓と腎臓の同時移植も行われていた。若い医師でも、800数例の肝移植を行っている。多い場合は数千例を経験している」と、医師らの写真やプロフィールの記録映像を提示して語った。

于溟さんが秘密裏に記録した、解放軍火箭軍総医院肝胆道外科の副主任である李朝陽医師へのインタビューによれば、李医師は500例以上の肝臓移植に参加、または執刀したと自己紹介した。李医師は、気功練習者の肝臓の質は極上であるとし、病院が提供する肝臓の品質は保障されていると述べた。

この李医師の発言を収めた映像は、2020年3月10日、米国のNPO団体「共産主義受難者基金会」がキャピタル・ヒルで開いた政策フォーラムでも公開された。

人民日報によると、ドナー登録者を管理する中国赤十字会は2020年11月7日、浙江省杭州市で、臓器提供の事業の開始から10年を数え「全国臓器提供事業10周年宣伝活動」を開催した。現在、251万人がドナー登録しているという。

しかし、于溟さんは、赤十字社の示す臓器提供の理由には疑問を呈する。中国当局は、臓器は自発的なドナー、交通事故、脳死によるとしている。

中国で臓器移植の拡大を牽引してきた臓器移植発展基金会の理事長で、元衛生部副部長(次官級)の黄潔夫氏は、2015年3月、フェニックステレビの番組に出演し「死刑囚の臓器提供がなければ中国移植界の発展はなかった」と述べている。いっぽう、死刑執行数は国家機密であり、停止したはずの死刑囚の臓器利用が継続させていることをほのめかした。

中国国家衛生健康委員会が2020月7月1日に発表した草案では、死亡した人の臓器を遺族が提供することを認めている。これには、死刑囚が含まれるのではないかとの法的解釈もある。

黄潔夫氏は昨年11月、北京で開催された臓器移植フォーラムで講演し、2023年には米国を抜いて、中国が世界一の臓器移植大国になることを希望すると発言した。良心の囚人を含む「死刑囚」からの臓器摘出に拍車がかかるのではないか、と人権団体は懸念している。

(翻訳編集・佐渡道世)

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