結婚式いろいろ 中国少数民族の慣習(上)

中国には多くの民族があります。それぞれの民族は独自の生活スタイルがあり、結婚の風俗習慣も異なります。多くの少数民族はまだ伝統的な特徴を維持していますので、ここでは、様々な少数民族の異なる結婚式の慣習をご紹介したいと思います。

タイ族

タイ族の若い男女が結婚する時、一般的に「嫁ぐ側(花嫁)の家」で行います。なぜなら、花婿は花嫁の家に行って暮らすので、結婚式は主に花嫁の家で行われます。タイ族の宗教信仰は仏教で、伝統的な習慣によれば、新郎新婦は必ず寺院にお参りに行って、2人が末永く幸せに暮らせるよう仏様に祈願します。そして、家の前に色鮮やかな絨毯を敷いて、僧侶を招いて読経を頼みます。読経した後、僧侶は色鮮やかな帯を新郎新婦の手首に付けて、2人を祝福します。

朝鮮族

朝鮮族の結婚式は非常に複雑です。延辺朝鮮族自治州では、結婚式は通常二段階で行われます。最初は花嫁の家で、次に花婿の家で開催されます。いわゆる、花嫁の家で「花婿の結婚式」が行われ、花婿の家で「花嫁の結婚式」が行われます。花婿の結婚式は一般的に、奠礼(雁を捧げる礼)、交拝礼(新郎新婦が向かい合う礼)、房合礼(新居で今後夫婦として生きていくことを誓う礼)、宴会礼(新郎新婦が互いに酒杯を交わしお酒を飲む礼)の順に行われます。花婿は三日間花嫁の家に滞在した後、一人で帰ります。そして、選ばれた吉日に花嫁は花婿の家に迎えられます。花婿の家でまた花嫁の結婚式が開催され、翌日、花嫁は花婿の家族に会い、花婿の両親にクンジョル(跪いてするお辞儀)をします。これで、婚事は終了となります。朝鮮族の人は一般的に一度結婚したら、滅多に離婚しません。結婚式で花婿が花嫁に木彫りの雁を捧げる儀式があり、これは、夫婦が末永く幸せの願いを象徴しています。

また、朝鮮族には帰婚礼と呼ばれる特別な結婚式があります。結婚60周年を迎えた夫婦がともにまだ生きていて、子供や孫たちも全員亡くなっておらず、且つ男の子と女の子の孫が同時にいる場合に限り、帰婚礼を行うことができます。この帰婚礼では、老夫婦は結婚時に着ていた衣裳を着なければなりません。若い人の結婚式に負けないくらい盛大なものです。この日、子供たちと親戚は世代、長幼の順に、老夫婦にお辞儀をし、お酒を差し上げて、健康と長寿を願います。

深圳南澳漁民

水上で花嫁を迎えることは深圳竜崗区南澳漁民--蛋民の習慣であり、400年の歴史があると言われています。漁民の若い人たちが結婚する日では、花婿の船は左側に停泊し、花嫁の船は右側に停泊します。二隻の船の船首が向かい合うようにしなければなりません。しかし、花嫁側の船首は必ず花婿側の船首よい高いことが要求されます。船体には三角旗、長い祝砲、お祝いの帳がかけられ、爆竹が鳴らされ、銅鑼と太鼓の音が響き渡ります。花婿の船は花嫁の船の傍に着くと、花嫁は多くの姉妹に囲まれて、船から出てきます。そして、花婿の船にいる女装している男の介添人は女の子たちを率いて、花嫁を迎えに行きます。現在、漁民たちは徐々に岸に上がり、陸上で家を建てて暮らし始めているので、結婚式の習慣も徐々に陸上に移されました。

トゥ族

トゥ族の結婚式は主に毎年のお正月に行われます。約1か月前に、縁起の良い日を選んで儀式が行われます。花嫁と花婿両方の父、叔父或いはお兄と媒酌人、約7~8人が一緒に縁起の良い日を選びます。

結婚式の前日の午後、花婿側は歌も踊りも上手で口先もうまい「納什金」(花嫁を迎えに行く介添人)を招いて、花嫁を娶るのに必要な道具や結納品、そして、花嫁が結婚式で着る衣装と装飾品を持参し、白い雌羊(純潔と豊かさを象徴する)を引っ張って、花嫁を迎えに行きます。その後、花婿は義理の両親にハダを捧げ、神様にお辞儀をします。その後、お茶を飲んで、披露宴を始めます。結婚式は深夜まで続き、余興で20種類近くの歌と踊りが用意されるため、トゥ族の結婚式は美しい歌と踊りに満ちた盛大な儀式です。

そして、翌日の夜明け前に、花嫁はきれいに化粧をして、美しい衣装を身にまとい、色鮮やかなスカーフで頭を覆って、馬に乗って、花婿の家へと向かいます。花嫁が花婿の家に着くと、花婿はハダとお酒を持って、花嫁を迎え入れます。それから、花嫁はかまど神の所へ行って、予め選ばれた女性に既婚女性がするような髪型に結い直してもらい、ウェディングドレスに着替えてから、挙式を行います。仲人または年配の親戚によって、お祝いのスピーチが行われます。その後、「花のような鮮やかな花嫁と力強く、責任感の高い花婿よ、神様にお辞儀をしなさい」という声に合わせ、花婿と花嫁は4回お辞儀をした後、新居に入ります。

(翻訳編集・千里)