【独自】防衛省、レールガンの実用化へ研究着手 極超音速兵器の迎撃能力に期待

2022/01/18
更新: 2022/01/18

マッハ5以上の速度で飛来する極超音速兵器を迎撃可能な「ゲーム・チェンジャー」として、電磁の力で砲弾を撃ち出すレールガンが注目を集めている。防衛省は来年度当初予算案に65億円を計上して研究開発を行い、早期実用化を目指す。

レールガンとは、供給された電気エネルギーによって弾丸を発射する兵器だ。火薬が燃焼した際の化学エネルギーで砲弾を発射する従来の火砲技術で頭打ちとなった射程及び威力の大幅な向上が可能になる。

装備品の研究開発を行う防衛装備庁によると、レールガンから発射された弾丸の速度はマッハ5以上に達する。極超音速ミサイル等に対して有効な防衛手段として期待されている。

レールガンの開発について、大紀元の取材に応じた担当者は「将来の戦闘様相を一変させ得る、いわゆるゲーム・チェンジャーとなり得る最先端技術に重点的に投資し、早期に実用化させることが重要」との考えを示した。

極超音速誘導弾(ミサイル)等への対処のほか、対艦攻撃の使用も見込まれ「様々な用途に活用しうる可能性を秘めていることから、我が国の防衛にとって重要な事業」だと述べた。

レールガンの研究は来年度から着手し、令和10年度まで所内試験を実施して成果を検証する。いっぽう、実用化の時期については明らかになっていない。

防衛装備庁によると、弾丸の速度を高める研究や、強い電流にも耐えられるようなレール素材に関する研究は平成28年から始まり、すでに基本技術の確立が進められていた。

岸防衛相は11日の記者会見で「ゲーム・チェンジャーとなり得る先端技術に重点的に投資をし、早期に実用化させることは重要である」との考えを示し、「レールガンの早期実用化に向けて着実に取り組む」と発言した。

レールガンを巡っては米軍が先行的に研究を行っていた。昨年12月に成立した米国の国防権限法でも関連経費が盛り込まれている。

政治・安全保障担当記者。金融機関勤務を経て、エポックタイムズに入社。社会問題や国際報道も取り扱う。閣僚経験者や国会議員、学者、軍人、インフルエンサー、民主活動家などに対する取材経験を持つ。
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