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中国籍のがん研究者を逮捕 米国で研究資料盗用の容疑 

2025/08/29
更新: 2025/08/29

米国で、中国人研究者が機密性の高い研究資料を不正に持ち出した疑いで再逮捕された。

先月、中国籍のがん研究者である李雲海氏は、テキサス州ヒューストンの空港で米国当局に身柄を拘束された。米国立衛生研究所および米国防総省の資金提供を受けた乳がん研究資料を盗み、中国に持ち出そうとした疑いがある。

7月9日、35歳の李雲海はヒューストンのジョージ・ブッシュ・インターコンチネンタル空港で出国を試みた際、米税関・国境警備局(CBP)と国土安全保障省の職員に止められた。検査の結果、彼の所持していた2台の携帯電話と1台のノートパソコンには、MDアンダーソンがんセンターの機密医療ファイル、未公開の研究資料、企業機密などが含まれていた。

裁判所文書によれば、李雲海は中国で医学の学位を取得後、2022年に研究者ビザでテキサス大学MDアンダーソンがんセンターに入り、乳がんワクチンの研究開発に従事。米国立衛生研究所(NIH)および国防総省が資金提供する関連研究にも参加していた。

しかし、李雲海は2025年7月1日に突然辞職し、約90GBの未公開研究資料を中国の百度クラウドにアップロード。痕跡を隠すため専用ソフトを使用した疑いもある。

李雲海は調査員に対し、これらの資料を中国に持ち帰り乳がんワクチンの研究を継続したかっただけで、自身に保有権があると主張した。また、国境警備職員に対しては、「秘密保持契約への署名を記憶していない」と述べている。

しかし実際には、李雲海は米国勤務中に秘密保持契約に署名しており、研究資料の漏洩は明確に禁じられていた。

さらに、李は「外国の資金提供や外部機関との関係はない」と主張していたが、調査により中国重慶医科大学と協力し資金提供を受けていたこと、また米国在職中も中国で発表された医学論文に彼の名前が記載されていたことが判明した。

8月22日、李雲海は企業秘密窃取および政府記録改ざんの容疑で正式に逮捕・起訴された。加えて、電気通信詐欺、連邦資金不正流用、職務乱用の罪で調査を受けており、有罪となった場合は最大禁錮10年以下または1万ドルの罰金が科される可能性がある。