あなたの脳には、読み方についての好みがあるようです。
私たちはこれまで、紙の本を読むことが脳や学習にどのような恩恵をもたらすかを見てきました。では、オーディオブックを聴くことはどうでしょうか。
科学者たちは今、目から読むにせよ耳から聞くにせよ、脳が物語を取り込む際に内部で何が起こっているかを観察できるようになっています。
彼らが発見したことをご紹介します。
柔軟な脳
カリフォルニア大学バークレー校の研究者たちは、被験者をfMRIスキャナーに入れ、何時間にもわたる音声ストーリーを聴かせました。そして各単語と、その単語を処理した際に活性化した脳の領域をマッピングしました。
その後、参加者に同じストーリーを今度はテキストで提示しました。聴取と読書の両方に対して脳がどのように反応したかを比較したところ、そのパターンはほぼ同一であることがわかりました。意味を解読する皮質領域が同じように活性化したのです。
この2つの経路が同じ場所に行き着く理由があります。それは、人間は読む前に聴くからです。発達の過程で、脳は読書専用の回路を構築しません。すでに存在する音声システムを流用し、即興で対応させます。
実は、読書も聴取もともに、一般に思われている以上の処理を行っています。記号や音の連続から意味を引き出すことは、人間の脳が何の努力もしていないように見えながらも行う、最も複雑な作業のひとつです。
問題は、この2つが重要な点で何らかの違いを見せるかどうかです――そしてその最初の兆しは教室で現れます。
聴いても理解しない
脳がこの2つをそれほど似たように処理するなら、どちらも同様に教育効果があるはずです。しかし、そうではないかもしれません。
2010年頃、教科書出版社は教授たちに音声版の教科書を売り込み始めました。
ジェームズ・マディソン大学の名誉教授デイヴィッド・B・ダニエル氏は、学生に費用を請求する前に、このフォーマットが効果的であることを証明したいと考え、実験を行いました。
彼は学生を2つのグループに分けました。第1グループは心理学の教科書の1章を読み、もう一方は同じ章を音声で聴きました。
同じ教材、25分、その後テスト。
「その差は、AとDの成績の差でした」とダニエル氏はエポックタイムズに語りました。「散々な結果でした」
聴取グループは約28%低い点数でした。
テストの結果は雄弁ですが、テストの直前に何が起きたかこそが、この実験を興味深くしています。
選択の機会を与えられると、ほぼすべての学生が音声グループを選びました。
「ほとんどの人は、より簡単な選択肢とより難しい選択肢があれば、同じ結果を得るために簡単なほうを選ぶでしょう」とダニエル氏は言います。学生たちは学習しているという実感を持っていましたが、その感覚は本物でも、実際の学習は伴っていなかったのです。
そしてテストが、本当に学んでいるかどうかを証明するよう求めた瞬間、感覚と知識のあいだの溝が足元に開きました。ダニエル氏はテストの最後に、「今となってはどちらのグループを選べばよかったと思うか」という質問をこっそり加えていました。音声グループの学生たちはほぼ全員、答えを変えました。
「彼らは、テストで想起を求められるまで、自分が理解していないことを知らなかったのです」と彼は言います。
この溝には、背後にある仕組みがあります。
紙の本は読者に手触りを伴う空間的な目印を与えます。重要な定義は左ページの上部に位置しており、音声では提供できない空間的なアンカーとして機能します。また読書中、目は無意識のうちに常に読み返し、難解な文章をくり返し確認しています。
もちろん、オーディオブックは巻き戻すことができますが、実際にはほとんどそうしません。そして印刷されたページには、自然な「出口」――アイデアを整理するために立ち止まれる場所――がたくさんあります。
「(オーディオブックには)ページがなく、知識を積み上げるために立ち止まれる自然な場所もありませんでした」とダニエル氏は言います。「ただ延々と続くだけでした」
この前進し続けるモメンタムのコストは測定可能です。黙読・音読・聴取を比較した別の研究では、聴取の条件が最も多くの「心の迷走」を生み出し、記憶の想起が最も弱く、学習内容への関心も最も低い結果でした。
手で触れるページも、ペースを保つものもないと、心はさまよってしまいます。
しかし、音声にはまだ切り札があります。それが勝つかどうかは、どんな内容を読むかによって変わります。
音声の利点
ペンシルバニア州ブルームズバーグ大学の教授で、14年間中学校の英語を教えてきたベス・ロゴウスキー氏は、音声学習の効果を検証する研究を設計しました。
彼女は大学教育を受けた91人の参加者を3つのグループに分けました。
第1グループはローラ・ヒレンブランド著の第二次世界大戦のサバイバル物語『アンブロークン』の一部を音声で聴きました。第2グループは同じページを読み、第3グループはテキストを目で追いながら音声も同時に聴くという両方の方法を用いました。
その後全員が48問の読解クイズを受け、さらに2週間後にも再度受けました。
最終的な結果は?
「3つのグループ間に差はありませんでした」とロゴウスキー氏はエポックタイムズに語りました。
ダニエル氏の実験では明確な学習の差が見られました。一方、ロゴウスキー氏の同様に注意深い研究では差がありませんでした。この矛盾は、それぞれの参加者が実際に何をしようとしていたかを問えば、すぐに解消されます。
ダニエル氏の学生たちは階層的な教科書の内容を学んでいました。6ページが理解できるのは2ページの内容を頭に入れているときだけという類の教材です。一方、ロゴウスキー氏の参加者は時系列に沿って進む物語を追っていました。
バージニア大学の認知心理学者で学習を研究するダニエル・ウィリンガム氏はエポックタイムズに、物語は聴覚を通じて伝わりやすいと語りました。聴き手は物語の馴染みのある文法を使って進んでいくからです。しかし、密度が高く層を重ねたテキストは別の話です。
「6ページを読んでいるとき、本来は2ページで読んだ内容と関連づけるべきです。それは非常に難しい。紙の本のほうが簡単です。紙の本なら簡単に前のページに戻れますから」と彼は言います。
紙の本はまたナレーターではなく読者にペースを委ねます。そのコントロールこそが、じっくりと向き合う価値のある文章にゆっくりと向き合う余裕を生むのです。
ロゴウスキー氏の研究には2つの限界があることに注意が必要です。第1に、この研究はオーディオブック会社Audibleによって一部資金提供されています。スポンサーが結果に影響を与えたかどうかを尋ねられると、ロゴウスキー氏はスポンサーが設計と分析に関与しなかったと述べ、どの形式にも有利な結果ではなかったと指摘しました。
著者が指摘した第2の限界もあります。読書グループはKindleを使用しており、画面での読書は紙の本での読書よりも得点が低くなる傾向があります。紙の本と比較した場合、音声は同じ条件で競えなかった可能性があります。
それでも、視覚的・階層的な構造よりも物語に重点を置いた本、または推論や深い理解よりも全般的な理解を優先する目的であれば、オーディオブックは効果的に機能するようです。これは『Review of Educational Research』に掲載された大規模な研究でも確認されています。
読書と聴取を同時に行うとどうなるでしょうか。30の研究と約2,000人の参加者を統合したメタ分析では、この組み合わせアプローチはほとんど、あるいはまったく効果がないことがわかりました。入力を2倍にしても、理解度は2倍になりませんでしたし、意味のある向上も見られませんでした。ただし、読み書きが苦手な人や第二言語を学んでいる人には、読書と聴取を組み合わせることで、ある程度の効果がある可能性があります。
最後の変数
自分自身の習慣について尋ねると、専門家たちは同じルールにたどり着きます。軽い読み物には音声、内容の重い本には紙というものです。
「私は紙の本で始まり、紙の本で終わります」とウィリンガム氏は言います。「オーディオブックはかなり軽い内容のためだけに残しています」
すべての専門家が、促されることなく同じ警告を口にしました。これらの研究はいずれも、読み方を学んでいる子どもたちに関するものではありません。ここで取り上げたすべての研究は、すでに流暢に読める大人、あるいは大人に近い人たちを測定したものです。読解力と読む技術そのものは異なる「筋肉」を使います。聴くだけの子どもは、その2番目の筋肉を鍛えるよう求められることがない子どもです。
「これが、学生にオーディオブックを聴かせるだけで読書には取り組まなくていい、というふうに誤解されたくありません」とロゴウスキー氏は言います。
それ以外の人たちにとって、結論はより穏やかです。通勤中・皿洗い中・洗濯中など、日常的な作業をこなしながらオーディオブックを活用しましょう。しかし、情報を確実に定着させる必要があるときは、読んでください。
結局のところ、形式は小さな要因に過ぎません。完全な集中力で聴いたオーディオブックは、半分上の空で読んだ紙の本を、常に上回ります。媒体はメッセージではありませんでした。
注意力こそがメッセージだったのです。
(翻訳編集 日比野真吾)
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