縁結びと神々の都

 出雲(中)

2016/02/09 07:00

 「出雲大社」で有名な出雲は年に一度、全国の八百万の神々が参集すると言われている。全国では神様がお留守になるこの月を「神無月」と呼び、出雲に限りこの月に神様が集まるため「神在月(かみありづき)」と呼ぶようになった。毎年、秋が深まる旧暦の10月10日に神迎祭が行われる。海外からの観光客も多く、「出雲大社」は毎年200万人を超える参拝客で賑わっている。

旧大社駅

(こずえ撮影)
(こずえ撮影)

 出雲大社から南へ車で約10分ほどのところに旧大社駅がある。明治45年6月に開業され平成2年に廃駅となるまでJR大社駅は出雲大社の表玄関として親しまれてきた。駅舎は大正13年に改築され「東京駅」「門司港駅」と共に国の重要文化財に指定されている。

(こずえ撮影)
(こずえ撮影)
(こずえ撮影)

 全国でも珍しい神社様式を取り入れた格調ある木造建築で、大正ロマンを感じる純和風建築の駅舎とホームが当時のまま残されている。「ポー」っと汽笛が聞こえ、今にも列車がプラットホームに入って来るようだ。

出雲そば

割子そば(こずえ撮影)

 島根県の出雲地方で広く食べられている郷土料理に割子蕎麦・釜揚げ蕎麦などがある。蕎麦粉を作る時、ソバの実を皮ごと石臼で挽くためそばの色は濃く黒く見え、香りが強い。出雲地方では奥の院詣りの際に、門前のそば屋で蕎麦を食べるのが庶民の楽しみであった。また「神在月(かみありづき)」に行われる「神在祭」の際、神社の周りに屋台のそば屋が立ち並び、身体の温まる「釜揚げ」で新蕎麦を食べたという。

 出雲そばの中では三段の丸い漆器にそばを盛って出す割子(わりご)蕎麦がもっとも有名である。出雲地方の松江では野外でそばを食べるために、弁当のように重箱にそばを入れ、食べる直前に器の中にそばつゆを直接かけて食していた。その当時の形式が、今に引き継がれている。十段でも食べることができると思う程の美味しさである。

(文 こずえ)

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