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香港のデパートに掲げられた大型のテレビスクリーン。一国二制度の香港でも、メディアはじわじわと北京政府の影響下に(MIKE CLARKE/AFP/Getty Images)

アジアTVの株、中国政協委員に譲渡 香港のマスコミを呑み込む北京

 【大紀元日本4月1日】香港の地上波テレビ局ATV(亜州電視)の株権をめぐり、混迷が続いている。同局の筆頭株主、査懋声(パイソン・チャ)氏は3月5日、香港アジアTVの株を中国本土の若手実業家で全国政協委員の王征氏に一部譲渡すると発表した。査氏によると、同テレビ局は上海で上場する予定だという。中国ウォッチャーの間では、同テレビ局の61%の議決権を持つ王征氏と、香港フェニックス・テレビ(鳳凰衛視)の創始者で中国共産党と深い繋がりを持つ劉長楽氏が加わることにより、ATVに対する中国共産党の影響力が増すとみられている。

 王征氏への株譲渡を発表した査氏は、別のATV株の所有者で台湾の製菓大手、旺旺集団の蔡衍明会長から「同意を得ずに株を発行した」として法廷に訴えられている。

 今年3月初め、北京で「両会」に参加していた王征氏は、査氏と協議した内容については触れず、「進行中だ」と話すにとどまった。また、「わたしはトラブル・メーカーではない。私は彼ら(査懋声と蔡衍明)の間でトラブルが起きた後に介入したのだ」と涼しい顔で話した。

 両会で王征氏が語ったところによると、ATVの経営は長期的な赤字を計上しており、今後は中国本土で上場して資金を調達する予定。今後20年間で、数10億元を投資する計画があるという。ATVの株式購入は個人の資金でまかなうため、融資の必要はないと語る王征氏。王征氏への株の売却価格は不明だ。

 今後の目標について王征氏は、ATVを「アジアのCNNにする」と話し、現在の中国語放送から英語放送への切り替えも視野に入れていると語った。

 中国本土でも人気の高い香港のフェニックス・テレビの会長を勤める劉長楽氏も、ATVの大株主。彼自身、中国人民解放軍の出身で、同テレビ局の番組は得てして中国当局寄りといわれている。ATVは、中国共産党に乗っ取られるのか。香港メディアが、じわじわと北京に侵食されていく。

(翻訳編集・小林)


 (10/04/01 06:51)  





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