THE EPOCH TIMES

≪医山夜話≫ 耳のツボ(42)

2011年10月02日 07時00分
 【大紀元日本10月2日】漢方医の私は職業上の習慣で、人の耳にいつも注意を払います。時には相手の耳ばかり見てしまい、相手の話を聞き逃してしまいます。人間の耳はまるで生命の展示版のように非常に細かく正確に体の状況を反映しており、一目見れば多くの情報を得ることができます。私は時に患者に何も聞かなくても、耳を見るだけで病気の状況をほぼ把握してしまいます。

 耳にはたくさんのツボがあります。これらのツボはまるで逆さにした胎児が耳介の上に寝ているように、頭部を下向き、臀部を上向きにして分布しています。人間の体の各部位はみな耳に対応する代表点があります。耳を通して体のすべての部位の病理変化を観察できることも不思議ではありません。例えば、冠状動脈硬化症の人の耳たぶには斜めのしわが現れ、肝ガン患者は耳介にある肝臓の代表区に環状の窪みができ、統合失調症患者の耳甲(耳介中心部のくぼみ)には圧迫痕が現れます。たとえ歯が一本抜けただけでも、必ず耳に兆候が現れます。

 人体の十二経脈も耳に繋がっています。古典の『霊枢・口問』には、「耳は経脈が集まるところである」と記されています。そのため、耳の色、位置の高さ、厚さ、形状、硬さなどからその人の先天体質を知ることができ、耳の形と状態から今後の病気を察知することもできます。

 どのように耳の色、形状、厚さを観察して内臓の虚実を判断するのでしょうか? 『霊枢・本臓』によると、「耳が小さく黒色の人は腎臓が小さく、耳が大きい人は腎臓も大きい。耳の位置が高い人は腎臓の位置も高く、耳の位置が低い人は腎臓の位置も低い。耳が硬い人は腎臓が強く、耳が薄い人は腎臓が弱い。腎臓が小さければ、丈夫で病気にかかり難く、腎臓が堅ければ病気に侵されにくい。腎臓が大きければ、弱くて聴覚障害か耳鳴りになりやすい」と記載されています。

 皆さんは恐らくご存知ないと思いますが、耳のツボの治療法は疼痛(とうつう、ずきずきと痛む)に対して、とても良い効果が得られます。

 ある日、歯痛を訴える患者が私を訪ねて来ました。「先生、ここ数年、歯の治療にかけたお金は家一軒でも買えるくらい……」と患者は言います。私が彼の耳のツボに鍼を入れると、すぐさま痛みは治まり、それ以後、二度と歯痛になったことはありません。

 このような例から見ても、漢方医学は、現代の西洋医学に比べてそのレベルは低くなく、むしろ生命に対する認識は遥かに上回っているといえるでしょう。

 
(翻訳編集・陳櫻華)


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