THE EPOCH TIMES

3年で焼身自殺40件以上 中国の強制立ち退き=アムネスティ報告

2012年10月26日 14時53分
【大紀元日本10月26日】アムネスティが最近発表した報告によると、中国で貧しい人や労働者の住居が強制的に取り壊され立ち退きを迫られるという事態がますます激しさを増しており、暴力抗争や死亡の情報が次々と伝えられている。

 アムネスティが詳しく調べた40件の強制立退きの中で、9件が民衆の抗議あるいは強制立ち退きを制止しようとしたために死亡事件が起きている。焼身自殺事件に関しては2009年1月からの3年間で41件の情報を収集しており、このうち8件は死亡事件に至っている。これは数年前に比べると大幅に増加しているという。しかしながらここ10年、中国国内メディアに報道された強制立退き事件は10件以下である。

 数年来、いわゆる再開発計画を実行するため、通常、地方政府がとる措置は、土地を奪い取り開発権を売り出したうえに立ち退きを強制する。2008年の北京五輪と2010年の上海万博が開催された際、多くの北京と上海の住民が、住居の強制取壊しに遭っている。

 2008年に世界を襲った金融危機の対抗策として、北京政府は地方政府に経済の刺激をサポートするよう要求。各地方政府はインフラへの投資資金を調達するため、貧しい農民や都市の労働者の住居を強制的に取壊し、不動産開発企業への土地売り出しを加速させた。

 それに加え、地方政府は国有銀行から大量の資金を借り入れ、巨額な負債を抱えており、債務返済に迫られた多くの地方政府は土地売買をいっそう加速させている。

 タイトル『彼らの立場に立って』という85ページにわたるこの報告のなかで、「国際社会が08年北京五輪の準備期間に行われた強制取壊し行為について厳しく非難したにもかかわらず、ここ3年、強制立退きのペースが加速している。中国各地では数百万人の人々が故郷を追われ、適切な法の保護や保障を得られていない」とアムネスティは指摘している。

 この報告はメディア報道と取材を基にしており、取材対象は人権擁護活動家、弁護士や学者。「強制立退きの過程にはいつも暴力に満ちており、よく見られるのは政府側あるいは開発業者が経済利益を追求するための暴力行為で、絶望した民衆の抗議や暴力に対する制止は少ないほうだ」とつづられている。

 強制立退きにあった人々はほとんどが適切な通知と賠償を得ておらず、彼らを故郷から追い出すため、往々にして相手は殴る、水や暖房の供給を止めるなどの非情な手段を使う。報告では、裁判所に対し立退き世帯が告発しても、地方政府職員、警察や裁判所は彼らを全く相手にしていないと指摘した。

 中央政府は昨年、都市部での立ち退き過程における暴力禁止規定を打ち出し、有権者に一定の保護措置を与えた。しかしながら、この新法規は賃借人や農村地区の住民には適用できない。

 アムネスティの主任研究員ニコラ・ダックワース氏は「昇進や税収、事業の発展は、地方幹部が不法行為を続けることを励ましている」と指摘。中国当局に対し、地方官僚の評価基準を改変して彼らが庶民の土地を略奪する誘因を減らし、強制立ち退きを制止するよう呼びかけた。

(翻訳編集・坂本了)
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