先進の中国古代技術は現在科学に挑む

「大紀元3月12日」科学技術の発展は本当に初級から高級へと進歩してきたのであろうか?現代までに発掘された多くの証拠は、数千年前の古代人が相当複雑な技術と工芸をマスターしていたことを示しており、しかもその一部は現在の最先端技術でも及ばない程のレベルなのである。

最近の例では、中国で出土した手作りのサファイアの斧である。その斧は、“5000年の歴史があり、おそらく式典などに使われていたものだ”と科学者は分析した。

キリスト教科学箴言報2005年3月3日号で、考古学者のPeter Lu氏は次のように述べている。「分析によって、宝石を製造業に用いていたという最も古い証拠を見つけた。これだけはでなく、中国古代の技術は相当発達しており、まったく現代の技術に劣らない。今回の発見で最も驚いたのは卓越した中国古代の研磨技術であり、斧の表面が非常に滑らかでつやがある。現代の最新技術を駆使しても、5000年前の工芸水準に達することは難しい。」

科学者たちは当時の中国人の研磨技術についての分析を行った。かつて古代よく使われていた研磨剤は石英砂であったので、最初に石英砂の研究が行われた。しかしレントゲンと顕微鏡による分析で、斧は40%のコランダム(ダイヤモンドに次いで堅い鉱物)を含んでいることが分かった。これほどの堅いものが石英砂によって研磨できるとは考えられない。顕微鏡による研究によって、当時の研磨工具は金剛石である可能性が高いという結果が出た。更に、周りの沈積物に金剛石があることが発見された。もしこの観測結果が確認されれば、金剛石が工業製造に用いられていたという最も古い証拠となる。

もうひとつの古代の工業技術は醗酵技術である。今日われわれの日常生活で食されている数多くの食品、たとえばパン、チーズ、酢などは皆醗酵によって作られたものである。醗酵技術は遥か昔、9000年前から既に中東地区で応用されており、また最近、ある国際研究チームは当時の中国の醗酵技術が非常に優れていたことを発見した。一般に早期の醗酵は酵母によって行われていたが、古代の中国人は先にかびを用いて、その後酵母を使用して醗酵を行っていた。これは今日の人類も使っている技術である。

ある研究者は、中国北部で出土した9000年前の陶器の瓶の口に残留していた有機物を分析した。彼はそれが米、果物、蜂蜜からなる一種の混合醗酵の飲料であると確定した。去年12月、ペンシルバニア大学博物館のPatrick Mcgovernと彼のパートナーは考古学と人類学におけるひとつの研究結果を発表した。 最初にかびを使って炭水化物を醗酵可能な糖に分解すると、その後の過程で酵母醗酵を大きく促進することができる。同時に数種の漢方薬を入れると酵母の活性を7倍ほど高めることができるという。

このような醗酵技術は本当に素晴らしい。原始人はわれわれが想像していたほど原始的ではないのかもしれない。彼らがマスターしていたと思われる技術はわれわれのものより遥かに複雑かつ先進的であったのではないだろうか。