大紀元時報

「100歳まで元気に生きる」漢方医師が薦める五穀養生法

2021年6月2日 20時29分
五穀を混ぜて炊いたお粥は、五臓六腑に精気を補い、健やかな長寿のもととなります。(Shutterstock)
五穀を混ぜて炊いたお粥は、五臓六腑に精気を補い、健やかな長寿のもととなります。(Shutterstock)

今回ご紹介する内容は、中国伝統医学漢方医)に精通した複数の医師が、こぞって推薦する「五穀養生法」についてです。人生100年とも言われる現代の日本で、自分の人生を「健康で、長寿である」という最も理想的な形にするためには、どうしたらよいか。その基本となる毎日の食物に「雑穀」といわれる五穀を取り入れるとともに、どのような組み合わせでそれらを活用したらよいかについて、中国伝統医学の豊富な経験から生まれた養生法を、日本の皆様にお届けいたします。

100歳を超えても元気に生きた人

馮羅小潔(Serene Feng)氏は、ニューヨーク在住の女性の漢方医師。オーストラリアと米国で20年以上にわたり、鍼灸や生薬を扱う医療に携わってきました。

その馮医師の、遠い親戚にあたる人で羅(ら)という姓のお爺さんがいました。なんと102歳まで元気に生きたこの方は、馮医師に「わしは、養生のため五穀粥(ごこくがゆ)を食べているよ」と言ったそうです。

生前の羅さんは、数十年間にわたり、五穀を食べて養生する習慣を維持してきました。毎朝、様々な穀物と雑穀を袋から出し、青、赤、黄、白、黒の五色を組み合わせて鍋に入れて炊きます。軟らかい五穀粥ができると、漬物を添えて食べるのです。
羅さんお得意の五穀粥は、調味料が少なめの薄味。五穀から出る、シンプルで滋味豊かな味わいのお粥です。このような食事をとっていることで、102歳で世を去るまで、羅さんは本当に元気でした。

93歳(2019年当時)の漢方医師である黎文献(れいぶんけん)教授も、五谷養生法を提唱しています。実は約16年前、黎教授自身が、思いもかけず糖尿病と診断されたことがきっかけでした。

それ以前の黎教授は、ずっと自身の生活スタイルにこだわりがあり、改めようとしなかったのですが、このたびの糖尿病をきっかけに自分の食事を反省し、食べ物に五穀雑穀を努めて入れるようにしたわけです。

黎教授は、近所のスーパーで色鮮やかな十穀米のほか、赤米、トウモロコシエンバク小豆、黒豆など、さまざまな雑穀豆類を買ってきます。それらを組み合わせて混合したものを水に浸しておき、翌日お粥に炊くか、あるいは五穀米のご飯にします。五穀豆乳にして飲むこともあります。

黎教授は、週に3日間は五穀雑穀を食べ、その他の日は、普通の白米や白い麺など精製された主食を食べています。今では血糖値もよくコントロールできていて、100歳近い高齢ながら毎週のように外で泳ぎ、仲間と歌をうたって心豊かな毎日を送っています。

五穀による養生とは、白米玄米か、精白粉か全粒粉かに関わらず、それぞれの体質に合わせて、バランスよく食事に供されることを指します。(Shutterstock)

 

五穀」は食事による養生法の基礎


健康のために「食べるおかずを多くして、ご飯を少なくする」は、日本でもよく耳にする言い方ですが。これは養生法として正しくはありません。主食であるご飯は、非常に重要な位置にあるのです。

現存する中国最古の医学書である『黄帝内経』には次のように記されています。「五穀は養を為し、五果は助を為し、五畜は益を為し、五菜は充を為す.」。その中で、五穀は飲食養生の基礎であるとして、五穀を食べてはじめて体は滋養を満たし、人に活力を与え、体を壮健にすることができるとされています。

古い時代の五穀は一般的に、うるち米、麻の実、黄米(きび)、麦、大豆を指していました。それぞれの時代で異なる言い方がありますが、いずれも当時の一般的な主食であったものです。現代では、五穀とは広く穀類と豆類を指す概念になっています。
いずれにしても、五穀は植物の種という共通点があります。漢方医学の観点からすれば、種は強靭な生命力を持ち、植物のすべての精髄を秘めているため、人は五穀を食べることで五臓六腑の精気を補い、寿命を延ばすことができる、と考えるのです。

五穀養生は「粗食のすすめ」ではありません

五穀による養生は、単に「雑穀玄米だけを食べる」という意味ではなく、精製された食糧も適度に組み合わせることによって、最高の養生効果を得ようとするものです。

先述の黎文献教授は、毎週3日間は雑穀を食べますが、残りの4日間は精製された米や麺を食べています。そうすることによって、消化不良を避け、胃腸を傷つけないようにしているのです。

台北市にある心医堂中医クリニック院長の呉国斌氏によると、「うるち米(白米) は、五穀のなかで第一の穀類です。味は甘く、性質がおだやかである上、消化器を最も保護する食品であるため、食事に白米は欠かせません」と言います。

五色は五つの臓腑に対応しており、いずれかの臓腑が弱っている場合、その色に相当する雑穀を食べることで養生ができます。(大紀元制表)

<補注・図表の内容>紅色補心(赤は心臓を補う)。青色養肝(緑は肝臓を養う)。黄色健脾(黄色は脾臓を健やかにする)。白色潤肺(白は肺を潤す)。黒色補腎(黒は腎臓を補う)。赤に属するもの(赤米、赤豆、あずき)。青に属するもの(緑豆、えんどう豆)。黄色に属するもの(あわ、きび、トウモロコシ、小麦、大豆)。白に属するもの(白米ハトムギ、もち米、いんげん豆)。黒に属するもの(黒米、黒小麦、黒豆、黒ゴマ)。

食物の「色の取り合わせ」が養生の基本

五穀の色とその効能(図表参照)にしたがい、最も適した組み合わせを考えて、毎日の食事に取り入れます。
102歳の天寿を全うした羅さんも、生前、自分が食べる五穀粥を作る際に「色」の取り合わせには、こだわりました。朝食には、複数の種類の穀類や豆類をお粥にしてバランスよく食べる一方で、他の時間には、朝のお粥には入れなかった黒豆など黒い食物も食べます。

五行思想に基づく漢方医学では、食物の五色が五つの臓腑に対応していると説きます。いずれかの臓腑が弱くなっている場合、その色に合った五穀を多く食べることで弱った臓腑の機能を補うのです。

ニューヨーク在住の漢方医・馮羅小潔氏は、「腎臓の気が不足している人は、手足が冷たくて、夜中に目が覚めやすくなります。そのような人には、五穀のなかの黒い雑穀、例えば黒豆や黒ゴマを多く入れた食事をとることで、腎臓を養生するようアドバイスしています」と言ってます。

馮羅小潔氏はまた、こうも伝えます。「体内の湿気(漢方でいう、体外に排出するべき悪い水分)が多いために、頭が重く、口臭がして、便秘になりがちな患者さんがいました。漢方薬は飲みたくないというので、毎日の朝食にハトムギ飯を食べるよう薦めたところ、約2週間で症状が改善しました」。

このように、さまざまな効能のある五穀ですが、慣れないうちは食感が悪いように思われるかもしれません。馮羅小潔氏は「五穀を調理するときは、洗って表面の汚れを流した後、新しい水に十分に浸しておく必要があります。これをしないと、食感が良くないだけでなく、消化吸収が十分にできないからです」と注意します。

日本の皆様、いかがでしょうか。西洋医学と並んで、漢方医学が普及している台湾では、このような五行思想に基づく養生法も、違和感なく人々に受け入れられています。

病気が疑われる症状の緩和には、はじめから化学的な薬品に頼るのではなく、自然の食物のもつ特性を十分に生かすことにより、普段の食生活から改善していくことが肝心です。それが実は、人の体に最も優しく、体調を整える近道であるという一例が、今回ご紹介した五穀養生法です。

日本のスーパーに売っている食材でも、十分にできます。まずは、お試しください。

 

 

(文・柯弦 翻訳編集・鳥飼聡)

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